MEN IN WAR 最前線


朝鮮戦線の最前線で孤立する歩兵小隊。見えない敵に蹂躙される恐怖、ひとり、またひとりと倒れる味方・・・。ハリウッド50年代を代表する男性映画の名匠、アンソニー・マンによる、息を呑むような緊迫感に満ちた、小隊戦闘映画の大傑作。

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1950年の朝鮮戦線。北鮮軍に抗し切れず、米軍は釜山へ後退を続けていた。マーク中尉指揮下の歩兵小隊も後退を開始したが、輸送車を爆破されて、兵隊達は武器を背負って進まなければならなかった。敵の狙撃、そして地雷源をかいくぐり進む小隊、やがて、高地の占領をめぐり、敵との長く、激しい銃撃戦が開始される・・・。『ウィンチェスター銃73』のアンソニー・マンが監督。巨匠エルマー・バーンスタイン(「荒野の七人」「大脱走」)の緊迫感あふれる名スコア。出演は名優ロバート・ライアン、アルド・レイ(「俺たちは天使じゃない」)、ヴィック・モロー(TVシリーズ「コンバット」のサンダース軍曹)。

2006.5.27発売

  • 監督:アンソニー・マン
  • 主演:ロバート・ライアン、アルド・レイ、ロバート・キース

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映写室

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フラーのBIG RED ONEの邦題が「最前線物語」。邦題をつけた配給会社の担当者はひょっとしたら、この映画を意識したのでしょうか。

ミラーK

『最前線』はマンの最もマンらしい一本でしょう。これを大好きな映画ファンは多い。一方で、今年はついに『真昼の欲情』を出すそうですね。アースキン・コールドウェルの『神の小さな土地』(って要するにお墓のことでしょ)の映画化ですが、普通にイメージするところのマン、らしからぬところが逆にマンらしいという逆説的マン映画。ロバ-ト・ライアンにアルド・レイもちゃんと出ています。今年はアンソニー・マン・ルネッサンスですか。次は『恐怖時代』あたりを是非。

はこまる

いや~面白かったっスよ。こういうのが普通に公開され普通に劇場で見ていた当時の人たちがじつにうらやましい。
『真昼の欲情』も出るんですね。それにしてもこのタイトル何?、配給ユナイトだからもしかして『シベリア超特急』のあのお方がつけたのかな?

Faux

フランソワ・トリュフォーは、『最前線』をロバート・オルドリッチ監督の『攻撃』よりも買っています。「わたしは『最前線』を高く評価する。『攻撃』以上にだ(しかるべき映画を見続け、われわれの評価を修正する必要がある)。オルドリッチと同じ手法を自在に用いつつ、アンソニー・マンはそれをさらに深め、より純粋な、演劇性の乏しいアプローチを選ぶ。残虐趣味はなく、一切の無駄もなく、あるのはただ力強く、中身の濃い、厳密で、冷酷非情な物語だ」。
 蓮実重彦は「アクション映画・ベスト50」に、この映画を選んでいます。「この監督がユニヴァーサルで撮ったどんな西部劇にもまして、ユナイト配給のこの独立プロ作品は、B級であることの美徳をあまねく体現させた傑作である。木漏れ日におちかかる地雷原を、ロバート・ライアンに率いられる小隊が、足をしのばせて通りぬける長いシーンのサスペンス。アンソニー・マンは、停止状態に限りなく近いゆるやかさが、活劇に不可欠な運動であることを、才能豊かに示してくれる」。

Anonymous

逢坂剛×川本三郎『誇り高き西部劇』(新書館)の対談より川本氏の発言。「私がアンソニー・マンの作品で意外と面白かったのは、朝鮮戦争を舞台にした『最前線』ですね。ロバート・ライアン、アルド・レイの二人が中心です。戦争映画ですが、話は完全に西部劇で、北鮮軍に取り囲まれ、小部隊の隊長のロバート・ライアンの中尉がいかに無事に釜山へと脱出できるかというストーリー。アルド・レイの軍曹がけっこう儲け役。一見悪役風でやたらと人を殺す。ロバート・ライアンはヒューマンな隊長でアルド・レイを嫌っている。あるとき北朝鮮の兵士が降伏して丘から降りてくるんです。それをアルド・レイが撃ち殺してしまう。ロバート・ライアンは怒るんですが、アルド・レイが兵士の鉄帽を取るとなんとピストルが隠されているんですよ。それでロバート・ライアンがアルド・レイのことを見直してしまう」。

Anonymous

 淀川長治『ぼくが天国でもみたいアメリカ映画100』(講談社+α文庫)より。「「最前線」は、アンソニー・マン監督の戦争ものです。/朝鮮戦争で、アメリカ兵十数人が、北朝鮮の大軍に包囲されて、困りきって、どうしようか、どうして逃げるか、どこへ行こうかというだけの話なんです。ロバート・ライアンが、指揮官をやってます。もうみんな殺されて、殺されて、3人だけが生き残るという悲惨な、悲惨な戦争の映画です。/この「最前線」を観ていると、1957年のころの戦争映画がいかに良かったかわかりますね。(略)「最前線」の兵隊は、いかにも地味なんです。地味な苦労、決死の苦心が、よく出てるんです。敵に包囲されて、砲撃されるわ、地雷は爆発するわで、もう本当に生きられない、生き抜けないと思ってる兵隊が3人だけ生き残るところに、何ともしれん同情というのかしら、戦争の悲しさがよく出てるんですね。/アメリカの戦争映画としておもしろいんです。/「最前線」には、ビック・モローも出ています。ビック・モローといえば、TVシリーズ・ドラマ「コンバット」(ABC/1962~1967)のサンダース軍曹ですね。「最前線」は、「コンバット」のもとになったんです」。

Anonymous

藤崎康『戦争の映画史』(朝日選書)より。「これも朝鮮戦争を題材にした歩兵映画の名作。孤立した米軍歩兵小隊と北朝鮮軍の戦いが、ひたすら息苦しい消耗戦として描かれるが、とりわけアンソニー・マンが執着する〈斜面〉での戦闘が痛々しいリアルさで迫ってくる。そして、次々と兵員を失っていくなかで、この戦争は何のための戦いなのかと自問自答する中尉(ロバート・ライアン)の荒んだ表情や、心神喪失状態で身動きしなかった「大佐」のラスト近くでの豹変ぶり、あるいは射殺された北朝鮮兵の身につけていた家族の写真、地雷の恐怖、見えない狙撃兵、火炎放射器という戦争機械(ウェポン)…といった一つひとつの細部に、戦争の無益さ、おぞましさが映り込んでいる」。

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