第23回 アレン・バロン監督・主演の『沈黙の銃声』
今回はアメリカ映画史上最も陰気で厭世的なクリスマス映画の話題。
今年のカンヌ映画祭で上映された幻のフィルム・ノワール『沈黙の銃声』(未。1961。レヴュー)は、製作から45年を経て、ついにフランスで7月5日に公開された。
『沈黙の銃声』はおそらく最も重要な「失われたノワールの傑作」である。マーティン・スコセッシが「私の好きなニューヨーク映画」と公言していつことでも知られる。アンソロジー・フィルム・アーカイヴスでは5月26日に監督・主演のアレン・バロンを迎えて『沈黙の銃声』が特別上映された。
人間嫌いの一匹狼の殺し屋というキャラクター造形は、これまたスコセッシお気に入りのアーヴィング・ラーナー監督の『契約殺人』(1958)という先例があるものの、『契約殺人』に鈴木清順の『殺しの烙印』(1967)に通じるような荒唐無稽さが見られるのに対し、『沈黙の銃声』のなまなましいロケーション感覚はむしろジョン・キャサヴェティーズ監督の『アメリカの影』(1959)に近い。実際、撮影助手のエリック・コルマーは『アメリカの影』のキャメラマンでもある(『沈黙の銃声』にはベルボーイ役で出演)。『沈黙の銃声』はニューヨークのロケーション撮影とジャズの組み合わせという点では、『よみがえるブルース』(放映題。1961)、キャサヴェティーズが主演したTVシリーズ『ジョニー・スタッカート』(1959−60)、シャーリー・クラーク監督の『ザ・コネクション』(未。1962)や『クール・ワールド』(1964)などとも相通じる。
米ユニヴァーサルから5月23日に『ジョニー・スタッカート』のシーズン1第10話「Tempted」(1959。演出ロバート・B・シンクレア)を収録した『ブリリアント・バット・キャンセルド−犯罪ドラマ集』と題するDVDが出た。『ブリリアント・バット・キャンセルド』は好評なのに大手放送網が放映しないTV番組を全話放映するTRIO(NBCユニヴァーサル傘下のケーブル・衛星放送局)のTVショーの名前から採られた。ほかの収録作は『刑事デルベッキオ』のシーズン1第16話「Licensed to Kill」(1977。演出アーノルド・レイヴン)、コロンビア大学の人類学者が犯罪に挑む『ギデオン・オリヴァー』(日本未放映)のシーズン1第1話「Sleep Well,Professor Oliver」(1989。演出ジョン・パターソン)、『Touching Evil』(日本未放映)のシーズン1第6話「K」(2004。演出グレッグ・ヤイタネス)。『刑事デルベッキオ』はタイトル・シークエンスが欠落、画質も悪い。『ギデオン・オリヴァー』はパイロット版。
『ジョニー・スタッカート』(レヴュー)27話は以下の通り。
- 「The Naked Truth」(第1話。演出ジョーゼフ・ペヴニー)
- 「Murder For Credit」(第2話。演出ジョン・キャサヴェティーズ)
- 「The Parents」(第3話。演出ロバート・B・シンクレア)
- 「The Shop of the Four Winds」(第4話。演出ボリス・セイガル)
- 「The Nature of the Night」(第5話。演出ボリス・セイガル)
- 「Viva, Paco!」(第6話。演出ジェラルド・オーシニ)
- 「Evil」(第7話。演出ジョン・キャサヴェティーズ)
- 「Murder in Hi-fi」(第8話。演出バーナード・ジラード)
- 「Fly, Baby, Fly」(第9話。演出ロバート・B・シンクレア)
- 「Tempted」(第10話。演出ロバート・B・シンクレア)
- 「The Poet's Touch」(第11話。演出ロバート・パリッシュ)
- 「A Piece of Paradise」(第12話。演出ジョン・キャサヴェティーズ)
- 「The Return」(第13話。演出ジェイムズ・ホーガン)
- 「The Unwise Man」(第14話。演出ロバート・B・シンクレア)
- 「Collector's Item」(第15話。演出ジョン・ブラーム)
- 「Man in the Pit」(第16話。演出シドニー・ランフィールド)
- 「The Only Witness」(第17話。演出ロバート・B・シンクレア)
- 「Night of Jeopardy」(第18話。演出ジョン・キャサヴェティーズ)
- 「Double Feature」(第19話。演出リチャード・ウォーフ)
- 「List of Death」(第20話。演出リチャード・ウォーフ)
- 「Solomon」(第21話。演出ジョン・キャサヴェティーズ)
- 「An Act of Terror」(第22話。演出ジョン・ブラーム)
- 「An Angry Young Man」(第23話。演出リチャード・ウォーフ)
- 「The Mask of Jason」(第24話。演出ポール・ヘンリード)
- 「A Nice Little Town」(第25話。演出ポール・ヘンリード)
- 「Swinging Long Hair」(第26話。演出ジェフリー・ヘイデン)
- 「The Wild Reed」(第27話。演出ボリス・セイガル)
『契約殺人』のファンとしても知られるマーティン・スコセッシは、『沈黙の銃声』をお気に入りの「ニューヨーク・シティ映画」の1本に選んでいる。これらの異色犯罪活劇を『タクシードライバー』(1976)の原型とみなすこともできるだろう。紀伊國屋書店の『フィルム・ノワール傑作選』DVD−BOX封入の特典リーフレット『フィルム・ノワールの手帖』掲載の吉田広明「カルト・ノワール25」で、『沈黙の銃声』の短評が読める。
クリーヴランド出身のプロの殺し屋フランキー・ボノ(アレン・バロン)はニューヨーク市の犯罪組織からチンピラのトロイアノ(ピーター・クルーン)を殺す依頼を受ける。ボノはクリスマス・イヴにニューヨーク市に着き、報酬の半額を受け取り、ターゲットを追う。ボノは肥満体の盗品仲買人ビッグ・ラルフ(ラリー・タッカー)から銃と消音器を買う手配をする。その夜、ボノは旧知の若い女性ローリー(モリー・マッカーシー)と出会い、彼女にディナーに招かれる。だが後に彼女にキスしようとした彼は、彼女が彼を憐れんでいるだけだと知る。ビッグ・ラルフはボノのターゲットが大物のチンピラと知り、値を吊り上げようとボノを脅す。激昂したボノはビッグ・ラルフを殺す。ボノは殺しを中止しようとするが、それは許されない。結局、ボノはトロイアノを待ち伏せ、殺す。ボノは報酬の残りを受け取ろうとするが、組織の罠にはめられ、組織の雇ったチンピラたちに殺される。
アドルファス・メカス監督の『ハレルヤ・ザ・ヒルズ』(未。1963)や西部劇『二連発探偵物語』(未。1965)、カール・ラーナー監督の『わたしのように黒く』(未。1964)、フィリップ・カウフマンとベンジャミン・マナスター共同監督の『ゴールドスタイン』(未。1965)、カウフマン監督の『怖いもの知らずのフランク』(未。1967)、フランク・ペリー監督の『トリロジー』(未。1969。トルーマン・カポーティの短編『ミリアム』、『楽園への小道』、『クリスマスの思い出』の映画化)の音楽も手がけているニューヨーク出身の知られざる作曲家メイヤー・クプファーマン(1926−2003。英語記事。英語インタヴュー)の音楽とナイトクラブ歌手役のディーン・シェルドンの歌も素晴らしい。クプファーマンのCDはサウンドスペルズ・プロダクションズから発売。
主人公フランキーの内面は三人称のヴォイスオーヴァー・ナレーションで語られる。語り手はクレジットされていないが、『袋小路』(1965)、『殺しのダンディー』(1968)などのライオネル・スタンダーである。ビッグ・ラルフ役のラリー・タッカーはサミュエル・フラー監督の『ショック集団』(1963)のパリアッチ役でおなじみ。ロリーを演じたモリー・マッカーシーは、スティーヴ・マックイーン主演の実録もの異色作『セントルイス銀行強盗』(DVD題。1959)でも似たような役を演じている。マックイーンが優柔不断でひ弱な大学生をメソッド・アクター風に演じる『セントルイス銀行強盗』はパブリック・ドメインのソフトがいくつか出ているが国内盤DVDはPDクラシックから出ている。参考までに『ニューヨークタイムズ』1961年12月30日付のユージーン・アーチャーの『沈黙の銃声』評を訳出する。ちなみにピーター・ボグダノヴィッチにも影響を与えた映画狂ユージーン・アーチャーはエリック・ロメール監督の『コレクションする女』(DVD題。1967)に米国人の美術収集家役で出演している。
「アレン・バロンという名の野心的な若い脚本家・監督・俳優は自らの第一作『沈黙の銃声』で大きな、しかし不快な役を自ら演じる。ニューヨーク界隈の映画館で昨日上映されたこの低予算メロドラマで、バロン氏は、無慈悲にも獲物に忍び寄る時、自分を押しのけるクリスマスの人ごみにうんざりする孤独な殺し屋を演じる。サウンドトラックのブルックリンなまりのしわがれ声で自分の内心を描写する[訳注:実際には画面外の語り手は主人公を二人称で呼び。突き放したように彼の内面と行動を描写する]この殺し屋は自分が紛れもなく孤独を好むタイプだと明かす。雇い主とのさりげない商談、競合相手のチンピラを始末するために彼を雇う犯罪王が彼を嫌な気分にさせる。次に、彼は、面談そっちのけで、ペットのネズミと戯れるでっっぷりとした銃器の売人に不快にさせられる。そして、日課をこなす、狙う獲物を数日間尾行した後、殺し屋は潜在的死体に向けられる憎しみに興奮する自分に気づく。彼の比較的正常な接触さえも彼の憂鬱を増すばかりだ。孤児院での幼馴染との偶然の出会いも、かつての仲間が、鼻息で床のピーナッツを動かすゲームを強いるスポーツマン・タイプだと分かった時、心的外傷となる。彼のおずおずとした抱擁に清教徒的な慎ましさをもって当惑する、気のいい、ひきこもった娘に、慰めとして心を向ける殺し屋は、犯罪をやめ、結婚しようと決意するが、彼女の寝室で見知らぬ男がひげを剃っているのを目撃してしまう。あきらかに、この男は社会と関係していない。あるいは社会がこの男と関係していないのかもしれない。バロン氏の謎めいた台本は安易な説明を避けるが、証拠から判断すると、この不幸な主人公は悪い仲間たちと付き合ってきたのだろう。
この奇抜な小品映画の混乱の大半は、この作品の独立クリエイターたち、バロン氏とブルックリン生まれの製作者メリル・ブロディの雑多な意図に含まれているように思われる。最小限の予算、無名の俳優、手持ちキャメラと最小限の技術者を用いた、この「自分で作ろう」チームはあきらかに風変わりな「芸術風」を狙っているが、それでもハリウッドの手堅い商業的常套手段に従っている。結果的に、ぎこちないと同時にこれ見よがしだ。そうだとしても、バロン氏はニューヨーク・ロケに関するいくつかの興味深いアイデアを持っている。またエリック・コルマーの熟達した撮影に助けられ、スターテン島のフェリー、ロックフェラー・プラザ、ヴィレッジ・バーン・ナイトクラブなどの場所を効果的に用いている。屋外場面にはのびのびした活力があり、この監督が将来有望だと予測させる。俳優としてのバロン氏はより抑制されている。実際、無愛想で禁欲的だ。そしてネズミの収集家を演じるラリー・タッカーは過度に悪漢風だ。しかしながらモリー・マッカーシーはヒロインとしては一見そっけない。そして彼女の二つの大きな場面での猛烈な攻撃は、映画全体の特徴を持つ。すなわち、力みすぎ、うまく行っていないが見る価値はある」。
『沈黙の銃声』の初の正規版DVDは、ドイツのアラモード・フィルムから5月16日に発売(レヴュー : dvdbeaver.com / cnet.de / cinefacts.de)。アレン・バロンの音声解説付き。また2007年1月10日には仏MK2からも『沈黙の銃声』のDVDが発売。
『沈黙の銃声』はユニヴァーサル社が配給権を保持しながら、初公開時にはほぼ黙殺され、サンフランシスコのアングラ・カルチャー誌『RE/Search』の1988年に出た第10号の猟奇的キワモノ映画を扱った「信じがたいほど奇妙な映画」特集でプラックス・ゴアが紹介したことから次第に注目を集め、カルト映画として再発見され、近年は海賊盤のVHSやDVDが密かに流通していた。もっとも未だに評価は熱狂から冷淡な反応まで大きく割れている。 「信じがたいほど奇妙な映画」で他にエッセイで取り上げられた作品は、『早熟』(1968)のジョーゼフ・W・サルノ監督、『露出』(1971)のクリスティナ・リンドベリ(リンドバーグ)主演のスウェーデン映画『若い遊び相手たち Young Playthings』(未。1972)、ハーシェル・ゴードン・ルイス監督の『血の魔術師』(1970)、『悪魔の赤ちゃん』(1973)のラリー・コーエン製作・監督・脚本、トニー・ロ・ビアンコ、デボラ・ラフィン主演の『ディーモン/悪魔の受精卵』(ビデオ題。1977)、ジョン・J・パーカー監督のドライヤーの『吸血鬼』などに比せられる、台詞のない心理的実験映画『恐怖の娘』(未。1957)、パム・グリアの出世作『コフィー』(1973)で知られるジャック・ヒル監督のデビュー作、ロン・チェイニー・ジュニア主演の『スパイダー・ベイビー』(1964)など。『血の魔術師』の国内盤DVDはハピネット・ピクチャーズから出ている。『血のバケツ』(1959。監督ロジャー・コーマン)+『スパイダー・ベイビー』の国内盤DVDはエプコットから出ている。共に日本未公開。
50年代カルト映画『痴呆』(未。1953)のエド・マクマホンのナレーション付きの短縮版『恐怖の娘』は『マックィーンの絶対の危機(ピンチ)』(1958)でブロブが映画館を覆う場面で深夜上映されている映画。『痴呆』にはジョージ・アンタイルの音楽のほか、ヴィーン出身、『栄光への脱出』(1960)の楽曲で有名なアーネスト・ゴールド(1921−1999)が音楽を監修、最後のナイトクラブの場面で、ショーティ・ロジャース&ヒズ・ジャイアンツの「Wig Alley」が使われている。また偉大なソプラノ歌手マーニ・ニクソン(1930年生まれ。1999年7月のインタヴュー)の歌が聴ける。マーニ・ニクソンは、『紳士は金髪がお好き』(1953)でマリリン・モンローの歌唱の高音部を吹替え、『王様と私』(1956)でデボラ・カーの歌を吹替え、『ウエスト・サイド物語』(1961)でナタリー・ウッドの歌を吹替え、『マイ・フェア・レディ』(1964)でオードリー・ヘプバーンの歌を吹替え、『サウンド・オブ・ミュージック』(1965)ではシスター・ソフィア役で「Maria」を歌っている。マーニ・ニクソンは今も現役で、ハリウッド・ボウルで7月28日、29日、30日と舞台版『サウンド・オブ・ミュージック』にマザー・アベス役で出演。スティーヴン・コールとの共著の自伝『一晩中歌えたら:私の物語』がビルボード・ブックスより9月刊行予定。また『痴呆』の撮影はエド・ウッド監督の『グレンとグレンダ』(1953)、『怪物の花嫁』(1956)、『プラン9・フロム・アウタースペース』(1958)のウィリアム・C・トンプソン。『痴呆』+『恐怖の娘』(動画)のDVDは米国キノ・ヴィデオから出ている(レヴュー)。
アレン・バロンの監督した劇映画には他に、『街の恐怖』(別題『パイ・イン・ザ・スカイ』。未。1964)、ハロルド・ロビンス・インターナショナル・カンパニー製作の徴兵忌避ドラマ『アウトサイド・イン』(未。1972。共同監督G・P・スプラドリン)、レズリー・ニールセン、ティッピ・ヘドレン出演の恋愛ドラマ『フォックスファイア・ライト』(未。1981。公開は1984)がある。『街の恐怖』もほとんど知られていないアメリカ映画の1本である。父と仲違いした9歳の少年ブリル(リチャード・ブレイ)が農家を家出し、マンハッタンで運試しをしようとする。そこで彼は10代のチンピラ、リックが統括するウエスト・サイドの靴磨き少年不良団の一人のプエルトリコ人少年パコと親しくなる。新聞売りの仕事を得たブリルは、翌日、リックの金の大半をサイコロ賭博で巻き上げる。だがリックの不良団にたたきのめされたブリルは娼婦スージーの家に連れて行かれる。翌朝、スージーはブリルに服を買い与え、街を案内するが、スージーが警官に検挙されるのを見て自転車を買い、故郷に帰る決意をする。リックの不良団がブリルを見つけるが、ペコが彼を逃がす。故郷へ向かう幹線道路で、トラックにぶつかり自転車は大破する。ブリルはアフリカ系アメリカ人の男女の家に泊まり、翌日、家に帰る。
共同製作兼撮影は『沈黙の銃声』の製作兼撮影のメリル・S・ブロディと、「第17回」で紹介した『ジグソー』(未。1949。監督フレッチャー・マークル)、『スリの聖ベニー』(未。1951。監督エドガー・G・ウルマー)、デイヴィッド・グーディスの『華麗なる大泥棒』(1953)を原作とする『泥棒』(未。1957。監督ポール・ウェンドコス)のドン・マルカメス。 娼婦スージー役は、「第3回」で紹介したジョージ・ストリック監督の『バルコン』(未。1963)のリー・グラント。彼女はノーマン・ジュイソン監督の『夜の大捜査線』(1967)、ハル・アシュビー監督の『真夜中の青春』(1970)と『シャンプー』(1975)、アーネスト・レーマン監督の『ポートノイの不満』(未。1972)、スチュワート・ローゼンバーグ監督の『さすらいの航海』(1976)、ジェリー・ジェイムソン監督の『エアポート'77』(1977)、ドン・テイラー監督の『オーメン2』(1978)などにも出ている。近年の出演作に『Dr. Tと女たち』、『マルホランド・ドライブ』がある。
アレン・バロンのTV演出作でDVD化されているものに、『バーニー・ミラー』第1シーズン(コロンビア・トライスター)、『ゆかいなブレディ家』コンプリート第3シーズン(パラマウント)、『チャーリーズ・エンジェル』コンプリート第1シーズン(コロンビア・トライスター)、第2シーズン、第3シーズン(7月4日発売)、『爆発!デューク』コンプリート第2シーズン(ワーナー)、『ファンタジー・アイランド』(日本未放映)コンプリート第1シーズン(ソニー・ピクチャーズ)がある。
1974年9月から1975年3月までABCで放映され、『X−ファイル』の制作総指揮を務めたクリス・カーターに影響を与えた特撮怪奇TVドラマ『事件記者コルチャック』(日本語記事 : 1 / 2)のDVD−BOX(3枚組)は米ユニヴァーサル社から発売。カール・コルチャックを演じるのは、2月25日に老衰のため83歳で亡くなったダーレン・マクガヴィン。デイヴィッド・リーン監督の『旅情』(1955)、オトー・プレミンジャー監督の『黄金の腕』(1955)、『軍法会議』(1955)にも出ている。アレン・バロンの演出作は、第1話『恐怖の切り裂きジャック The Ripper』、第3話『骨髄を吸い取る宇宙の怪物体 UFO』、第5話『満月に出る狼男の恐怖 The Wrewolf』、第7話『悪魔に魂を売った男 The Devil's Platform』。
リチャード・マシソン脚本、ジョン・ルウェリン・モクシー演出の『事件記者コルチャック』パイロット版は日本では放映されなかったが、『事件記者コルチャック/ナイト・ストーカー』(旧ビデオ題『魔界記者コルチャック/ラス・ベガスの吸血鬼』)という邦題のビデオが出た。『事件記者コルチャック』のパイロット版はもう1本、ダン・カーティス演出の『事件記者コルチャック/ナイト・ストラングラー The Night Strangler』がある。2005年9月25日からABCで放映された、『X−ファイル』のプロデューサー、フランク・スポトニッツ制作の『Night Stalker』は『事件記者コルチャック』のリメイク。ただし視聴率低迷のため放送6話で打ち切り。3話分は完成していたが未放映。
1975年から82年にかけてABCで放映されたシットコム『バーニー・ミラー Barney Miller』は日本未放映。ニューヨーク市警を舞台に、ハル・リンデンがバーニー・ミラー分署長を演じた。アレン・バロンは第1シーズン第12話『Hair』を演出。初放映日は1975年4月17日。米ソニー・ピクチャーズ社から『バーニー・ミラー コンプリート第1シーズン』DVD(2枚組。レヴュー)が出ている。
1969年から74年にかけてABCで放映された『ゆかいなブレディ家』(サイト : 1 / 2)は大家族を扱い、1975年以後、ネットワークやケーブルTVを通じて絶大な人気を博した。原案は人気ドラマ『ギリガン君SOS』(1964−69)でおなじみのプロデューサー、シャーウッド・シュウォーツ。『ゆかいなブレディ家』は、第1シーズンから第5シーズンまでが米パラマウント社でDVD化されているが、アレン・バロンは第3シーズンの1972年1月14日放映の『Dough Re Me』、同年3月10日放映の『The Fender Bender』を演出。共に米パラマウント盤『ゆかいなブレディ家 コンプリート第3シーズン』(4枚組)DVD−BOXに収録。
第22回の追加情報
グレイプヴァインからルービッチュ監督の『カルメン』(1918)の英語版『ジプシーの血』DVD−R版発売。カルメン役はポーラ・ネグリ。同時収録は『チャップリンの浮浪者』(1916)。
第1回、第9回、第14回、第22回の追加情報
米ワーナーの『フィルム・ノワール古典コレクション第4巻』DVD−BOXは何と10作品収録。収録作は『暴力行為』(MGM、1949。監督フレッド・ジンネマン)、『影を追う男』 (ビデオ題。RKO、1945。監督エドワード・ドミトリク)、 『土曜日正午に襲え』(放映題。ワーナー。1954。監督アンドレ・ド・トス),『死刑囚に聞け!』(モノグラム、1946。監督ジャック・バーナード)、『法に叛く男』(ワーナー、1955。監督ルイス・アレン)、『ミステリー・ストリート』(未。MGM、1950。監督ジョン・スタージェス)、『サイド・ストリート』(未。MGM、1950。監督アンソニー・マン)、『緊張』(未。MGM、1950。監督ジョン・ベリー), 『夜の人々』(RKO、1949。監督ニコラス・レイ) 、『ゼロへの逃避行』(放映題。RKO、1950。監督ジョン・ファロウ)。これは貴重なラインナップだ。特に日本未公開のMGMノワールが嬉しい。『ミステリー・ストリート』はジョン・オルトン、『サイド・ストリート』はジョーゼフ・ルッテンバーグ撮影。後者は『夜の人々』のファーリー・グレインジャーとキャシー・オドネル共演。『緊張』は撮影ハリー・ストラドリング、主演はリチャード・ベイスハート、オードリー・トター、シド・チャリス、バリー・サリヴァン。なお『暴力行為』は撮影ロバート・サーティーズ、主演はヴァン・ヘフリン、ロバート・ライアン、ジャネット・リー、メアリ・アスター。原案はジョーン・フォーテインやアイダ・ルピノとの結婚歴があるコリア・ヤング。『ゼロへの逃避行』は、撮影ニコラス・マズラカ、主演はロバート・ミッチャム。『ポセイドン・アドベンチャー』(1972)などでおなじみのアーウィン・アレンの初製作作品。『夜の人々』は「第17回」で紹介した『暗黒都市のご婦人たち:フィルム・ノワールの悪女たち』の編者エディ・ムラーとファーリー・グレインジャーの音声解説付き。『土曜日正午に襲え』はムラーと作家ジェイムズ・エルロイの音声解説付き。
- 『孤独な場所で』(1950。監督ニコラス・レイ)
- 『裏切りの街角』(1949。監督ロバート・シオドマク)
- 『サンセット大通り』(1950。監督ビリー・ワイルダー)
- 『アスファルト・ジャングル』(1950。監督ジョン・ヒューストン)
- 『深夜の告白』(1944。監督ビリー・ワイルダー)
- 『マルタの鷹』(1941。監督ジョン・ヒューストン)
- 『悪魔の往く街』(放映題。1947。監督エドマンド・グールディング)
- 『街の野獣』(1950。監督ジュールス・ダッシン)
- 『過去を逃れて』(DVD題。1947。監督ジャック・ターナー)
- 『月の出』(未。1948。監督フランク・ボーゼイジー)
- 『殺人者』(1946。監督ロバート・シオドマク)
- 『成功の甘き香り』(1958。監督アリグザンダー・マッケンドリック)
- 『深夜復讐便』(DVD題。1949。監督ジュールス・ダッシン)
- 『夜の人々』(1949。監督ニコラス・レイ)
- 『現金に体を張れ』(1956。監督スタンリー・キューブリック)
- 『拳銃の報酬』(1959。監督ロバート・ワイズ)
- 『暴力行為』(1949。監督フレッド・ジンネマン)
- 『拳銃魔』(1950。監督ジョーゼフ・H・ルイス)
- 『つけ狙う不審者』(未。1950。監督ジョーゼフ・ロウシー)
- 『殺人波止場/殺人逃亡者』(放映題。1951。監督フィリクス・ファイスト)
- 『まわり道』(未。1945。監督エドガー・G・ウルマー)
- 『緋色の街〜スカーレット・ストリート』(放映題。監督フリッツ・ラング)
- 『黒い罠』(1958。監督オーソン・ウェルズ)
- 『眠りなき街』(1952。監督ジョン・H・オウア)
- 『ひどい仕打ち』(1948。監督アンソニー・マン)