第18回 ビクトル・エリセ、ロイ・ウィリアム・ニール、ジェイナス・フィルムズ

2006年2月9日か5月21日までバルセロナ現代文化センター(CCCB)で行われた「エリセ=キアロスタミ往復書簡」展で、ビクトル・エリセの新作短編『ラ・モルト・ルージュ La Morte Rouge』(DV。32分)が上映された。「ラ・モルト・ルージュ(赤い死)」というのはロイ・ウィリアム・ニールの『緋色の爪』(未。1944)に出てくるカナダの村の名前。このユニヴァーサル社製作のシャーロック・ホームズものB級映画は、1940年6月30日生まれのエリセが1946年にサンセバスティアンで観た最初の映画であるという。名探偵ホームズ役はバジル・ラスボーン、ワトソン博士役はナイジェル・ブルース。米国公開は1944年5月26日。DVによるエリセ=キアロスタミの往復書簡は、「書簡1」がエリセからキアロスタミに宛てられた『画家の庭』(2005年4月22日、9分30秒)、「書簡2」はキアロスタミからエリセに宛てられた『マシュハド』(2005年9月5日、10分)、「書簡3」はエリセからキアロスタミに宛てられた『アロヨ・デ・ラ・ルス』(2005年10月22日、20分)、「書簡4」はキアロスタミからエリセに宛てられた『マルメロ』(2005年12月、12分20秒)。

アッバス・キアロスタミは1940年6月22日にイランのテヘランで生まれた。したがって年齢はエリセと1週間しか違わない。ちなみに1940年6月14日には、パリがドイツに占領された。キアロスタミの監督最新作は3話形式の『明日へのチケット』(10月28日より渋谷シネ・アミューズほかで公開。2005)だが共同監督のケン・ローチは1936年6月17日生まれ、エルマンノ・オルミは1931年7月24日生まれである。2006年カンヌ映画祭パルムドール受賞のケン・ローチ監督『麦の穂をゆらす風』(2006)もシネ・カノン配給で11月公開予定。

CCCBのジョルディ・バッロと「カイエ・デュ・シネマ」誌の映画批評家アラン・ベルガラが企画した「エリセ=キアロスタミ往復書簡」展は7月4日から9月21日までマドリッドのラ・カーサ・エンセンディーダで開催され、さらに2007年から2008年にかけてパリのポンピドゥ・センターでも開催される予定。

同展についての日本語記事

エリセ&キアロスタミ講演会についての日本語記事

同展についてのスペイン語記事

DV往復書簡の抜粋写真をも収めた『エリセ=キアロスタミ往復書簡』(2005)という美麗な英語版のカタログも刊行された。CCCBのサイトの「Publication」のコーナーを参照。オンライン・シネフィル・マガジン『ルージュ』9号には「第8回」でも言及したフランスの映画批評家・映画作家・映画教育者アラン・ベルガラ(1943年生まれ)が上記カタログに寄稿した文章とミゲル・マリアス(1947年、マドリッド生まれの映画批評家)による同展の報告記事(英語)が掲載されている。ちなみに同号には『山形国際ドキュメンタリー映画祭2001 スペシャルイベントカタログ—ロバート・クレイマー特集』に掲載された馬場広信の「『Notre Nazi/Unser Nazi』とヨーロッパ三部作」の英語版「Robert Kramer and the Jewish-German Question」も掲載されている。ミゲル・マリアスは『エリセ=キアロスタ往復書簡』カタログには「Introduction to the Dark Cave」と題するエッセイを寄稿している。またこのカタログにはカラー写真が満載で、エリセ監督の『ミツバチのささやき』(1973)や『エル・スール』(1983)撮影時の貴重な資料写真も収められている。

「図書新聞」2006年7月1日(2780号)に杉浦勉「映画という「小さなもの」に賭ける/『エリセ/キアロスタミ 交流』展レポート」が掲載されている。

バジル・ラスボーン主演のホームズもののDVDは、『ザ・コンプリート・シャーロック・ホームズ・コレクション』(5枚組。14作品収録)として米国Mpiホーム・ヴィデオから6月27日に発売された。すべて日本未公開。

収録作は『シャーロック・ホームズの冒険』(未。1939。監督アルフレッド・L・ワーカー)、『バスカーヴィル家の犬』(未。1939。監督シドニー・ランフィールド)、『シャーロック・ホームズと恐怖の声』(未。1942。監督ジョン・ローリンズ)、『シャーロック・ホームズと秘密兵器』(未。1943。監督ロイ・ウィリアム・ニール)、『ワシントンのシャーロック・ホームズ』(未。1943。監督ロイ・ウィリアム・ニール)、『シャーロック・ホームズ、死に直面』(未。1943。監督ロイ・ウィリアム・ニール)、『死の真珠』(未。1944。監督ロイ・ウィリアム・ニール)、『蜘蛛女』(未。1944。監督ロイ・ウィリアム・ニール)、『緋色の爪』(未。1944。監督ロイ・ウィリアム・ニール)、『アルジェへの追跡』(未。1945。監督ロイ・ウィリアム・ニール)、『シャーロック・ホームズと恐怖の館』(未。1945。監督ロイ・ウィリアム・ニール)、『緑衣の女』(未。1945。監督ロイ・ウィリアム・ニール)、『恐怖の夜』(未。1946。監督ロイ・ウィリアム・ニール)、『殺しの装い』(未。1946。監督ロイ・ウィリアム・ニール)。『緋色の爪』は2003年に単体で発売されたほか、同時発売の『ザ・シャーロック・ホームズ・コレクション第2集』に収録されていた。

『殺しの装い』『シャーロック・ホームズの殺しのドレス』の題名でPDクラシックからDVDが出ている。68分と表記されているので若干欠落があるかもしれない。Mpi盤は72分。

『恐怖の夜』は、クリスティン・トンプソンの「新形式主義映画分析」の書『ガラス装甲を破壊する』(プリンストン大学出版、1988)の第2章で分析されている。なお同書で分析対象となっている映画は、このほか、『ぼくの伯父さんの休暇』(1953)、『万事快調』(1972)、『舞台恐怖症』(1950)、『ローラ殺人事件』(1944)、『自転車泥棒』(1948)、『ゲームの規則』(1939)、『プレイタイム』(1967)、『勝手に逃げろ/人生』(1980)、『湖のランスロ』(特殊上映題。1974)、『晩春』(1949)である。

バジル・ラスボーンのファン・サイト

ラスボーンのホームズものの監督として名高いロイ・ウィリアム・ニールは1887年9月4日、アイルランド沖の父が船長の船上で生まれ、1917年から映画監督となった。

無声期の日本公開作。ドロシー・ドルトン(1893‐1972)主演『モデルの悩み』(1917)、『恋の手紙』(1917)、『腹立ちサリー』(1918)、『情愛の泉』(1918)、『嫉妬の眼』(1918)、『仏蘭西万歳!』(1918)、マーガリータ・フィッシャー(1886‐1975)主演『私に任せて頂戴』(1919)、ドリス・ケニヨン(1897‐1979)主演『紙箱』(1919)、コンスタンス・タルマッジ(1897‐1973)主演『想出の海水着』(1920)、ウォレス・リード夫人(ドロシー・ダヴェンポート)(1895‐1977)主演『掟』(1924)、エドマンド・ロウ主演『王冠より偉大なり』(1925)、バック・ジョーンズ主演西部劇『元気溌剌』(1926)、喜劇『殴り廻る男』(1926)、西部劇『飛鳥の如く』(1926)、レズリー・フェントン、マッジ・ベラミー、エドマンド・ロウ主演『暗黒の楽園』(1926)、トム・ミックス主演西部劇『アリゾナの快男児』(1927)、エステル・テイラー主演『女ラッフルズ』(1928)、ドナルド・クリスプ主演『北欧の海賊』(1928)。

トーキー期の日本公開作。『フランケンシュタイン』(1931)のメイ・クラーク主演『ギャングの娘』(1931)、ジャック・ホルト主演『海底二千尺』(1931)、アドルフ・マンジュウ主演『十三日の殺人』(1933)、ホレス・マッコイ原作、ドナルド・クック主演『ジャングルの怒り』(1933)、ロバート・アームストロング主演『突進大飛行船』(1933)、ドナルド・クック主演『九番目の客』(1934)、アン・サザン、ラルフ・ベラミー主演『八点鐘』(1935)、ボリス・カーロフ主演『古城の扉』(1935)。

ロイ・ウィリアム・ニールは1946年12月14日にロンドンで亡くなった。今年は60回忌にあたる。

ホームズもの以外のDVDで観られるニール監督作を2本紹介しておく。  カート・シオドマク脚本、ベラ・ルゴシがフランケンシュタインの怪物、ロン・チェイニー・ジュニアが狼男に扮する『フランケンシュタインと狼男』(DVD題。1943)は、ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパンから初回限定生産のDVDが7月28日に出た。同作収録の『狼男レガシーボックス』(3枚組)もある。他の収録作は『狼男』(1941。脚本カート・シオドマク、監督ジョージ・ワグナー)、『倫敦の人狼』(1935。監督スチュアート・ウォーカー)、『謎の狼女』(1946。監督ジーン・ヤーブロー)。

コーネル・ウルリッチ原作(1943年)、ダン・ドゥリエイ主演、ペーター・ローレ、ブロデリック・クロフォード共演の遺作『黒い天使』(未。1946)のDVDは米ユニヴァーサルから出ている。『黒い天使』は、ジェイムズ・エルロイ原作、ブライアン・デ・パーマ監督の『ブラック・ダリア』(2006)の雨の降る通りの映画館で上映されている。『ブラック・ダリア』は10月14日から全国ロードショー。

エリセの『エル・スール』やケン・ローチの英国=スペイン=ドイツ映画『大地と自由』(1995)に出ていた女優イシアル・ボリャインは今や国際的に注目を浴びる監督だが、彼女の監督作『テイク・マイ・アイズ』(未。2003)は「EUフィルムデイズ」の一環として、5月24日、東京日仏学院エスパス・イマージュで上映された。これは夫の妻に対する家庭内暴力を扱った作品。DVDは英国ドレイクス・アヴェニューから出ている。特典は20分の短編『愛は命取り』。主題も主演も『テイク・マイ・アイズ』と同じ。イタリアのメドゥーサ・ヴィデオからもDVDが発売されているがイタリア語音声のみ、特典はない。写真はオランダAフィルム盤DVD。

『テイク・マイ・アイズ』英盤DVD(レヴュー)

『テイク・マイ・アイズ』オランダ盤DVD

イシアル・ボリャインについて(スペイン語)

『マイセン幻影』(1992)、『失踪』(1993)のジョルジュ・スライザー(シュルイツァー)監督、ボリャイン出演のスペイン=ポルトガル=オランダ映画『石の筏に乗って』(2002)はシネフィルイマジカで放映されたが、米イメージ・エンターテインメントからDVDが出ている(レヴュー)。原作はポルトガルのノーベル賞作家ジョゼ・サラマーゴの『石の筏』(1986)。

『石の筏に乗って』放映情報(日本語)

ティム・クラッベ原作、スライザー(シュルイツァー)監督のオランダ=フランス映画『ザ・バニシング−消失−』(1988)のDVDはIVCから出ている。これは同監督によって米20世紀フォックス社でリメイクされ、キーファー・サザーランド主演の『失踪』(1993)となった。オランダのAフィルムから『ザ・バニシング』『石の筏に乗って』収録の2枚組『ジョルジュ・スライザーBOX』DVDが出ている。英語字幕付き。

スライザーが英国の映画誌『サイト&サウンド』2002年の映画史上のトップ10に選んだ映画。

  1. 『アンドレイ・ルブリョフ』(1967。アンドレイ・タルコフスキー)
  2. 『情事』(1960。監督ミケランジェロ・アントニオーニ)
  3. 『イタリア旅行』(1953。監督ロベルト・ロッセリーニ)
  4. 『サンセット大通り』(1950。監督ビリー・ワイルダー)
  5. 『波止場』(1954。監督エリア・カザン)
  6. 『ルシアンの青春』(1973。監督ルイ・マル)
  7. 『めまい』(1958。監督アルフレッド・ヒッチコック)
  8. 『ベニスに死す』(1971。監督ルキーノ・ヴィスコンティ)
  9. 『アレクサンドル・ネフスキー』(1938。監督セルゲイ・エイゼンシュテイン)
  10. 『黄金の馬車』(1953。監督ジャン・ルノワール)

エリセは8月24日、東京・有楽町朝日ホールで行われる「没後50年 溝口健二 国際シンポジウム」のため来日し、シンポジウム翌日の25日、本行寺にある溝口の墓参りをした。

米クライテリオンから9月19日にエリセ監督の『ミツバチのささやき』のDVDが出た。特典のうち『ビクトル・エリセ−孤独の影−』(2000)は東北新社版『Victor Erice in Madrid 〜カフェ・オリエンタルで語る』の改定版。

『ミツバチのささやき』クライテリオン盤の特典のひとつ、カルロス・ロドリゲス演出の『精霊の足跡』(未。1998)については、金谷重朗監修、遠山純生編『ビクトル・エリセ』(エスクァイア マガジン ジャパン、2000年)を参照。また筆者もかつて時評「記憶に抗う映像」(『InterCommunication』no.34 2000年秋号)で『精霊の足跡』『Victor Erice in Madrid』に言及した。

エリセ監督作のDVDについては日本語による最も充実したシネフィル的DVDレヴュー・サイト「銀盤生活」が詳しい。『ミツバチのささやき』DVD各国盤比較ほか、エリセ・ファン必見。

クライテリオンと関わりの深い米国の海外アート系および古典映画の配給会社ジェイナス・フィルムズは創立50周年を迎えた。10月24日にクライテリオンからジェイナス・フィルムズ創設50周年記念のDVD−BOX『エッセンシャル・アートハウス:ジェイナス・フィルムズの50年』が発売される。

ジェイナス・フィルムズはブライアント・ハリディ(1928−1996)とサイラス・ハーヴェイ・ジュニアによって1956年に創設された。ブライアント・ハリディは55丁目プレイハウスも経営していた。また俳優として『悪魔人形』(未。1964。監督リンゼイ・ションテフ)、『シンバの呪い』(未。1965。監督リンゼイ・ションテフ)、『愛欲の魔神島・謎の全裸美女惨死体』(放映題。別題『惨殺の魔神島』。1972。監督ジム・オコノリー)に主演している。『悪魔人形』のDVDはイメージ・エンターテインメントから出ている。『シンバの呪い』(別題『ヴードゥーの呪い』)、『愛欲の魔神島・謎の全裸美女惨死体』のDVDは米国のエリート・エンターテインメントから出ていたがいずれも廃盤。

確かな裏づけはないが、ウィリアム・ベッカーと記録映画作家のソール・J・テュレル(1921−1986)が1966年以後、ジェイナスを買収したと言われる。彼らの実の息子にあたるジョナサン・B・テュレルとピーター・ベッカーはクライテリオン・コレクションの経営者である。50周年記念イヴェントとして、9月30日から10月26日まで、リンカン・センターと第44回ニューヨーク映画祭は最良の35ミリ・プリントによる32本のジェイナス・フィルムズ配給作品を上映する。上映作は以下の通り。

  • 『ゲームの規則』(1939。監督ジャン・ルノワール)
  • 『突然炎のごとく(ジュールとジム)』(1962。監督フランソワ・トリュフォー)
  • 『第七の封印』(1957。監督イングマール・ベリマン)
  • 『天井桟敷の人々』(1945。監督マルセル・カルネ)
  • 『美女と野獣』(1946。監督ジャン・コクトー)
  • 『水の中のナイフ』(1962。監督ロマン・ポランスキ)
  • 『カラスの飼育』(1976。監督カルロス・サウラ)
  • 『細雪』(1983。監督・市川崑)
  • 『野いちご』(1957。監督イングマール・ベリマン)
  • 『バルカン超特急』(1938。監督アリフレッド・ヒッチコック)
  • 『ビリディアナ』(1961。監督ルイス・ブニュエル)
  • 『5時から7時までのクレオ』(1962。監督アニエス・ヴァルダ)
  • 『新学期・操行ゼロ』(1933。監督ジャン・ヴィゴ)
  • 『七人の侍』(1954。監督・黒澤明)
  • 『たそがれの女心』(1953。監督マックス・オフュルス)
  • 『情事』(1960。監督ミケランジェロ・アントニオーニ)
  • 『不良少女モニカ(モニカ)』(1956。監督イングマール・ベリマン)
  • 『オルガニズムの神秘』(1971。監督ドゥシャン・マカヴェイエフ)
  • 『鶴は飛んでゆく(戦争と貞操)』(1957。監督ミハエル・カラトーゾフ)
  • 『大人は判ってくれない』(1959。監督フランソワ・トリュフォー)
  • 『アントワーヌとコレット』(1962。監督フランソワ・トリュフォー)
  • 『道』(1954。監督フェデリーコ・フェッリーニ)
  • 『明日に生きる』(1963。監督マリオ・モニチェッリ)
  • 『誓いの休暇』(1959。監督グレゴリー・チュフライ)
  • 『山椒大夫』(1954。監督・溝口健二)
  • 『怒りの日』(1943。監督カール・テオドア・ドライヤー)
  • 『天国と地獄』(1963。監督・黒澤明)
  • 『怪談』(1965。監督・小林正樹)
  • 『野火』(1959。監督・市川崑)
  • 『美しき冒険旅行』(1971。監督ニコラス・ローグ)
  • 『霊魂の不滅』(1921。監督ヴィクトル・シェーストレム)
  • 『恐怖の逢びき』(1955。監督フアン・アントニオ・バルデム)

この記念上映は、ボストン、サンフランシスコ、バークリー、サンラファエル、シカゴ、プレザントヴィル、シアトル、ロサンジェルス、ワシントンDC、トロントほかで来年巡回予定。

またターナー・クラシック・ムーヴィーズは9月中、ジェイナス・フィルムズの傑作選を放映する。『エッセンシャル・アートハウス:ジェイナス・フィルムズの50年』は50本の古典映画のDVDに加え、ジェイナス・フィルムズの歴史を語る豪華本を含む。豪華本には映画史家ピーター・カウイ(1939年、イングランド生まれ)のエッセイやマーティン・スコセッシのトリビュート、50作品の解説・クレジットを掲載。収録作は以下の通り。

  • 『アレクサンドル・ネフスキー』(1938。監督セルゲイ・エイゼンシュテイン
  • 『灰とダイヤモンド』 (1958。監督アンジェイ・ヴァイダ
  • 『情事』 (1960。ミケランジェロ・アントニオーニ
  • 『誓いの休暇』(1959。監督グレゴリー・チュフライ
  • 『美女と野獣』 (1946。監督ジャン・コクトー
  • 『黒いオルフェ』 (1959。監督マルセル・カミュ
  • 『逢びき』(1945。監督デイヴィッド・リーン
  • 『落ちた偶像』 (1948。監督キャロル・リード
  • 『野火』 (1959。監督・市川崑
  • 『ポケットの中の握り拳』 (1965。監督マルコ・ベロッキオ
  • 『浮草』(1959。監督・小津安二郎
  • 『禁じられた遊び』 (1952。監督ルネ・クレマン
  • 『大人は判ってくれない』 (1959。監督フランソワ・トリュフォー
  • 『大いなる幻影』 (1937。監督ジャン・ルノワール
  • 『魔女』(DVD題。1922。監督ベンヤミン・クリステンセン
  • 『生きる』(1952
  • 『真面目が肝心』(未。1952。監督アントニー・アスクウィス
  • 『イワン雷帝・第二部』(1958。監督セルゲイ・エイゼンシュテイン
  • 『陽は昇る』(ビデオ題。1939。監督マルセル・カルネ
  • 『突然炎のごとく』(1962。監督フランソワ・トリュフォー
  • 『優しき心と宝冠』(未。1949。監督ロバート・ハマー
  • 『水の中のナイフ』(1962。監督ロマン・ポランスキ
  • 『バルカン超特急』 (1938。監督アルフレッド・ヒッチコック
  • 『老兵は死なず』(1943。監督マイケル・パウエル&エメリック・プレスバーガー
  • 『ブロンドの恋』(1965。監督ミロシュ・フォルマン
  • 『M』 (1931。監督フリッツ・ラング
  • 『ぼくの伯父さんの休暇』(1953。監督ジャック・タチ
  • 『令嬢ジュリー』 (1951。監督アルフ・シェーベリ
  • 『パンドラの箱』(1929。監督G・W・パープスト
  • 『望郷』 (1937。監督ジュリアン・デュヴィヴィエ
  • 『イル・ポスト』(未。1961。監督エルマンノ・オルミ
  • 『ピグマリオン』 (DVD題。1938。監督アントニー・アスクウィス、レズリー・ハワード
  • 『羅生門』 (1950。監督・黒澤明
  • 『リチャード三世』(1955。監督ローレンス・オリヴィエ
  • 『ゲームの規則』(1939。監督ジャン・ルノワール
  • 『七人の侍』(1954。監督・黒澤明
  • 『第七の封印』(1957。監督イングマール・ベリマン
  • 『ミツバチのささやき』(1973。監督ビクトル・エリセ
  • 『道』(1954。監督フェデリーコ・フェッリーニ
  • 『旅情』(1955。監督デイヴィッド・リーン
  • 『第三の男』(1949。監督キャロル・リード
  • 『三十九夜』(1935。監督アルフレッド・ヒッチコック
  • 『雨月物語』(1953。監督・溝口健二
  • 『ウンベルトD』(1952。監督ヴィットーリオ・デ・シーカ
  • 『処女の泉』(1960。監督イングマール・ベリマン
  • 『ビリディアナ』(1961。監督ルイス・ブニュエル
  • 『恐怖の報酬』(1953。監督アンリ=ジョルジュ・クルーゾ
  • 『白い酋長』(ビデオ題。1952。監督フェデリーコ・フェッリーニ
  • 『野いちご』(1957。監督イングマール・ベリマン
  • ソール・テュレルによる3本の記録映画。 『THE GREAT CHASE』 (未。1962)、『THE LOVE GODDESSES』 (未。1965)、『PAUL ROBESON: TRIBUTE TO AN ARTIST』 (未。1979)。

クライテリオン・コレクションは1984年に、ロバート・スタイン、当時の彼の妻アリーン・スタイン、ロジャー・スミスによって創設された。初リリース作品は『市民ケーン』(1941)と『キング・コング』(1933)のレーザーディスク。その充実した特典は今日の豪華DVD映画ソフトの先駆とみなしうる。1985年にスタイン夫妻とウィリアム・ベッカーはソール・J・テュレルの息子ジョナサン・B・テュレルと共にヴォイジャー・カンパニーを設立した。ヴォイジャー社は1989年から2000年までに教育用CD−ROMを発表した。その間にクライテリオンはヴォイジャー社の傘下に入った。1994年、ステイン夫妻は離婚。アリーンは事実上、ヴォイジャーの事業から離れ、別のCD−ROM出版社オーガナLLCを設立した。1998年、クライテリオンはレーザーディスクの発売を中止した。クライテリオンのDVDの第一弾は1999年11月23日発売の『大いなる幻影』(1938)。

クライテリオンはジェイナス・フィルムズ、ホーム・ヴィジョン・エンターテインメント(HVE)と密な関係にあったが、2005年8月1日をもってHVEはイメージ・エンターテインメントに買収され、クライテリオンのDVDの販売もイメージ・エンターテインメントが独占的に行うようになった。イメージ・エンターテインメントは、コロラド州で1975年にキー・インターナショナル・フィルム・ディストリビューターズ社として設立され、1981年に社名を変更した。1989年11月にカリフォーニア州に、2005年9月にデラウェア州に移転した。2006年現在、3000タイトル以上のDVDソフトを扱っている。

ちなみにキノ・インターナショナルの設立は1977年。当初は欧州、アジアの芸術映画を含むジェイナス・コレクションの劇場配給権を扱った。同社は1987年、キノ・オン・ヴィデオというヴィデオ・レーベルを立ち上げ、C・J・ユングに関するマーク・ホイットニー監督の記録映画『心の問題』(未。1985)をリリース。1989年には初の無声映画シリーズ「あの頃彼らには顔があった」(『サンセット大通り』でグロリア・スワンソンが扮した大女優ノーマ・デズモンドの有名な台詞)のリリース開始。1999年にはDVDを初リリースした。

「第4回」追加情報

「第4回」で『ありふれた恋人たち』という仮題で紹介したガレル新作の邦題が、ようやく『恋人たちの失われた革命』に決まった。ガレルは11月上旬来日予定。公開は2007年1月6日、東京都写真美術館ホールにて。10月23日には英アーティフィシャル・アイから『恋人たちの失われた革命』のDVDが出る。171分と告知されているので、おそらくPALスピードアップ。オリジナルや仏MK2盤は178分。

この映画の撮影監督ウィリアム・ルプシャンスキの2000年以後の作品は、以下の通り。クロード・ムリエラス監督、ミウミウ、サンドリーヌ・キベルラン、ナターシャ・レニエ、ミシェル・ピコリ主演の『家族の再会』(映画祭題。2000)、ジャック・リヴェット監督の『恋ごころ』(2001)、オタール・イオセリアーニ監督の『月曜日に乾杯!』(2002)、パスカル・ボニゼール監督、ダニエル・オトゥイユ、クリスティン・スコット・トマス主演の『些細な断絶』(未。2003)、リヴェット監督の『Mの物語』(2003)、フィリップ・ガレル監督の『恋人たちの失われた革命』(2005)、「第16回」で紹介したイオセリアーニの新作『秋の庭』(原題)、公開待機中のリヴェットの新作『斧に触れないで』(原題)。

撮影監督フィリップ・パヴァーヌ・ド・チェカッティが2000年12月11日に撮影したルプシャンスキーの写真

 『家族の再会』(日本語解説)のDVDは仏エディシオン・モンパルナスから出ている。英語字幕付き。リヨンで気軽に暮らしている。

『些細な断絶』のDVDは英アーティフィシャル・アイから出ている(レヴュー)。92分。メイキング付き。監督のボニゼールはリヴェットの『恋ごころ』、『Mの物語』の脚本にも参加。中年のコミュニストの記者ブリュノは自身の政治的理念のゆらぎと女性関係に悩む。『些細な断絶』のDVDは仏フランス・テレヴィジオンからも出ている。こちらは95分。