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    <title>放映録画鑑賞メモ「犯人に告ぐ」「危険な英雄」</title>
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    <published>2007-07-02T23:50:27Z</published>
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    <summary>WOWOW制作の新作映画ですが劇場公開前に一度だけオンエアーするという試みでハイ...</summary>
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        WOWOW制作の新作映画ですが劇場公開前に一度だけオンエアーするという試みでハイビジョン版「犯人は告ぐ」を見たのですが、釈然とせず鈴木英夫「危険な英雄」を続けて見たところ題材が似ていました。
        ともに誘拐犯（「犯人に告ぐ」は愉快犯も）と警察の攻防にマスメディアが絡んで複雑になってくるというお話です。「犯人に告ぐ」は生放送のニュース番組で捜査中の刑事がカメラ目線で犯人を挑発するという展開。「危険な英雄」は新聞記者が警察情報を盗んでスクープ記事にして、結局は犯人を追いつめるという展開。後者のラストはこれが悲惨な結果を導きだしてしまうのですが、前者では捜査が進展し、市民も協力するというお話です。
「犯人に告ぐ」のテレビメディアの描き方はあまりにも薄っぺらで、お気楽な感じです。そもそもあんな挑発を続けて犯人が次の犯罪を起こすことは全く忘れてしまっているようです。視聴率のためにテレビ側もそうした警察のやり方を利用するという話であるならば、次の犯罪が起こってしまうという物語展開にしても面白かったのではないでしょうか？テレビ局制作の作品ですから、テレビに責任がおよんでくるような物語は無理ということか、単に原作、脚本が甘いのか。「犯人に告ぐ」ということですが、「お前の言う理想の社会とは何だ」とか何とか言う肝心の刑事の言葉に力がないのは致命的。生放送のテレビを利用した犯人との攻防がはじまるのかとおもいきや、そういうことはないです。いわばサスペンスというものがないです。映画として、という以前に物語として腑に落ちなくて乗れない、というのが昨今多いようですが、これも一例ということでしょうか。たとえば、こんな捜査をしている刑事の子供を保護していないし、当人たちも危機を感じているという場面がないという設定はありえないのでは。たとえばイーストウッドならまず、そこは手をうってからテレビに出るでしょ、でも離婚した奥さんは誘拐される、んじゃないでしょうか。
そこで「危険な英雄」ですが、こっちのほうが断然面白いわけです。誘拐事件は最悪の結果に終わるのですが、この映画は、自らの取材が最悪の結果を招いたということが、会社のせいだ、と開き直って全く懲りない主人公像で締めくくっています。いわばひとつの社会批判もこめた物語としてきちんと成立しています。そのラストにいたるまでの展開も、警察の捜査と記者の取材の攻防という視点からサスペンスを生み出しています。新聞少年にモンタージュ写真を配って捜査協力させる、というくだりもめちゃくちゃですが面白いです。
台詞を徹底して早口で棒読みさせて、現都知事が主演という問題をクリアしているところからしてさすがというべきでしょうか。ただ共演者が、小澤栄太郎、仲代達矢、志村喬という面々ですから多少だめでも画面は持つのですが。お目当ての司葉子はほれぼれする美貌ですが、ちょこっとしかでてこないのですな。主演へのビンタは壮快です。
「犯人は告ぐ」は主演の豊川悦司がいいので、50分ぐらいは見せてくれますが、映画としての成立させかたをもっと考える必要があったのではないでしょうか。画づくりにしても冒頭の誘拐犯が現れるのを待ち伏せするシーンなどカットが軽すぎです。HD撮影でHD画面を想定しているのでしょうが、劇場で冒頭からこんなカット割り見たくないです。速いカット割りでゆくならサスペンスを盛り上げられる厳密なコンテが必要ではないでしょうか。
余計なことですが、この新作をまずオンエアーして、その告知と口コミで劇場宣伝に、というねらいなのかもしれませんが、とても興行のプラスに作用するとは思えません。昔角川映画は本編がつまらないのを何とか宣伝で面白くみせるため試写はあえて見せない、という手を使っていましたが、そっちのほうがよかったんじゃないでしょうか。録画した映画はハードディスクの負担を軽減するため速攻消去しました。（って何か嫌な感じだけど、実際いま映画はこんな感じでお手軽に扱われているわけですね）
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    <title>DVD鑑賞メモ　「シャイアン」「They made me criminal」</title>
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    <published>2007-06-25T21:45:53Z</published>
    <updated>2007-06-26T22:33:44Z</updated>
    
    <summary>30年代ハリウッドという一応のテーマからずれますが、またまた米ワーナーのフォード...</summary>
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        30年代ハリウッドという一応のテーマからずれますが、またまた米ワーナーのフォードBOXから「シャイアン」でフォード補給します。
        70MM スーパーパナビジョンによる撮影ということもこの画質を左右する決めてとなっているのでしょうが、これはただならぬカラー映像です。「捜索者」のブルーレイディスクもすごいのですが、DVDでもこれだけ抜けがよくて、鮮明感にあふれ、発色感に富んだ映像は初めてといってもいいかもしれません。とにかくワイド画面の見応えに、シーンごとに、息をのむ、といっても過言ではないでしょう。つまりは、この映画自体が、現代の業界人にこれだけのマスターをつくらせるだけの力にみなぎった画面に満ちているということでしょうか。
フォード演出はワイドショットでの風景を入れ込んだ画面づくりに賭けているような気もします。そのせいか約2時間半の長尺がゆったりと感じられます。30年代フォード映画のシャープな流れはなく、画面に流れが止まっています。ただその画面がすごいので、見入ってしまいますので、これはこれですごいです。黒澤の後期とちょっと似ているのでしょうか。シャイアン族たちも米軍たちも、広大な大地をとにかく延々と進んでゆく、その感じのすごいこと。
途中、物語の本線とはあまり関係なさげに、ワイアット・アープ役でジェームズ・スチュアート、ジョン・キャラダインが登場するダッジ・シティの酒場シーンがありますが、このあたりがフォードの遊びでしょうか、緊張感に満ちた映画が一度緩んでいい感じです。街中に汽車が通過する見せ場もあります。ひつこいようですが、ほかにも火を吹きながら走る汽車や全速力で走る大騎兵隊団を移動で追ったテクニカラーワイド画面など、スペクタキュラーな見せ場がたくさんあります。役者もみんな無難にいいですが、エドワード・G・ロビンソンがすべてをかっさらってゆくような思いのこもった芝居を見せてくれます。
特典で「シャイアンの秋を追って」という短編のプロモーション映画？がついているのですが、見応えがあります。現代のシャイアン族の末裔がこの映画に描かれている道程を、車で旅するという趣向なのですが、カラースタンダードで丁寧に撮影された画面がまるでフォード映画のようなところもあり、美しいです。また、こういうのを見ると制作された当時のマイノリティの権利や保護を見直そうとしていたアメリカの世相がはっきりします。
「捜索者」でインディアンを図式的に悪者あつかいにしたり、この映画では彼らに同情的な物語を展開したりと、フォードって人も大変ですね。それにしても「静かなる男」を例外とした戦後のフォード映画には、戦闘や闘いに対するなにか暗いもの、いわば深い反省があるような気がします。

30年代ものに戻ってバズビー・バークレイ監督の「They made me criminal」を米アルファ版（960円ぐらい）で。パブリックドメインものでワーナーの正規版ではないのですが、画質はそんなにひどくないです。16mmではなく35mm素材を使っているようです。（ところが同時に取り寄せたこの会社の他の２、3枚は16mmかへたすれば8mm、しかもVHSマスター疑惑のひどいしろものでした。これだけ例外的にいいのかも？）
ジョン・ガーフィールドが殺人の濡衣をきせられ逃亡するボクサー役、です。まよいこんだ農園で「デッドエンド・キッズ」なる芸名の悪ガキ集団と出会い、彼らや農園の娘との親交をふかめてゆく、という展開ですが、あしたのジョーというか梶原一樹的な、よくいえばダイナミックな、悪くいえばいきあたりばったりな強引な展開が面白いです。農業用の貯水タンクのなかで悪ガキたちと泳いでいたら、水がどんどん減ってきて出られなくなり、カナズチの子はパニックに、なんてシーンがすごく面白いです。全編いわば、台詞がわからなくても楽しめるように、見せてわからせる、さすがバズビー御大です。ガーフールドを追っかけて来る刑事がクロード・レインズで、ラストはカサブランカのようなオチなのも期待どおりです！
力を抜いて見て普通に面白く後味も爽やか。こんな映画はやっぱりうれしいです。

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    <title>DVD鑑賞メモ　「私は告白する」「間違えられた男」</title>
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    <published>2007-06-20T00:03:50Z</published>
    <updated>2007-06-20T05:09:55Z</updated>
    
    <summary>日本版ワーナー版（セールでたしか１０００円以下！！）で５０年代ヒッチコックの2本...</summary>
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        日本版ワーナー版（セールでたしか１０００円以下！！）で５０年代ヒッチコックの2本を。
        どちらも見事なマスターでまずは画面の美しさに目を奪われます。どちらも、誠に実に恥ずかしながら、初見です。VHSで見るのは嫌だった、というのが表向き？な理由ですが、どうもどちらもあまりお色気がなさそうで、敬遠していたというのが正直なところ。
「私は告白する」は「ゴダールの決別」でもTV画面にうつる映像に引用されていて、たしか「私は告白する」のフランス語タイトルが「沈黙の掟」なのは妥当だ、という台詞があったはず。そのフランス語なまりの「アイ・コンフェス」という女性の声が妙に印象に残っています。
モンゴメリー・クリフトが抜群にいいですね。特典の解説映像のなかで、ヒッチコックのあっち見てこっち見て、といった演出に“メソッド演技“のクリフトはかなりとまどったということが紹介されていますが、そのとまどいがまさに登場人物の複雑な心理をかもし出していると、いうと変でしょうか。ピーター・ボグダノビッチがバイト先の名画座でこの映画をふらっと見に来たクリフトに「これをご覧になるお気持ちは？」とたずねたところ、「ひどいよ」と言ったそうです。かわいそうなクリフト。公開当時、国内の反応がかんばしくなかったらしいですが、みんなもっと褒めてあげればよかったのに。
舞台がカナダというのも、味があります。ラストのホテル、まだ残ってたら行ってみたいです。クリフトが苦悩して町中をうろうろさまようシーンもロケーションなのですが、すごく効果的です。教会の窓枠？にほどこされた十字架を背負うイエスの像ごしに、さまようクリフトをとらえた長いカットが印象的です。この罪を背負う男のイメージっていうのは、やっぱりキリストと結びついているんですね。
その罪を背負ってしまう男をもっとわかりやすくしたのが、「間違えられた男」です。
ヘンリー・フォンダってこういう不幸な男が抜群に似合います。しかし、このベースプレーヤー役、ちょっと潔癖すぎるところが、この映画の弱点でもあります。ちょっとうしろめたいことがあれば、サスペンスも盛り上がるような気もしますが、この映画はそっちではなく奥さんの心理のほうへいくんですね。特典の映像解説ではちょっとでも夫を疑ってしまった罪悪感が心を閉ざした、というようなことを行っていますが、そうとは見えなかったです。そういう説明が一番納得いくのですが、アリバイ調査の途中で、あまりに突然おかしくなるんで、奥さん実は不倫してたのか、という展開を妄想してしまいました。
取り調べ室、留置所、裁判所、拘置所の描写に力が入ってます。ヒッチコックにとって、やっぱり一番恐い場所、なんですね。こうなれば、ついでに刑務所まで、やっていただきたかったです。でもそれは嫌なんでしょうね。実話のリアリズム演出をささえるオールロケーション、とおもっていたら、特典で美術監督がセットのリアリティにこだわった、と言っているので驚き。
この映画でも十字架のイメージがちりばめられていますね。考えてみれば、十字架ってそれこそ恐いもんね。手、足に釘だもん。小生も幼稚園で初めてあの像をみて、ふるえるほどぞっとして泣き出したことを忘れられません。
それはさておき、ヒッチコックとキリスト教。考えてもみなかったことでした。この二本を見といてよかったです。


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    <title>上映会鑑賞メモ　　「花嫁人形」「白黒姉妹」</title>
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    <published>2007-06-17T00:05:20Z</published>
    <updated>2007-06-17T23:26:41Z</updated>
    
    <summary>ドイツ映画祭2007、６月１１日朝日ホールでピアノとヴァイオリンの生演奏付き上映...</summary>
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        ドイツ映画祭2007、６月１１日朝日ホールでピアノとヴァイオリンの生演奏付き上映会にいってきました。
        どちらも１時間弱ぐらいの中編で仕事帰りのオヤジにとっては、ぎりぎりいいところ。2作ともに何といったらよろしいか、面白い、としか言いようがありません。
脇役もふくめすべて登場人物が生き生きと強い個性を発揮しているのは、後のハリウッド時代と全く同じですね。「花嫁人形」の子供というかガキのはちゃめちゃぶりときたら。なまぐさ牧師もすごい。それにおしよせる女たち！物語も背景もメルヘンちっくというのが、「ルビッチタッチ」の源泉でしょうか。人形芝居からはじまる「花嫁人形」。「白黒姉妹」は雪山ロケーションの魅力。ヘンデルとグレーテルをおもわせる姉妹の名前。エミール・ヤニングスの悪魔のようにすごい顔。（この人って普通どんな顔だったんでしょう）
結婚するのが嫌なら人形を嫁にすればいいとか、妹と結婚するためにまず姉と結婚すればいいとか、よく考えると、めちゃくちゃ乱暴なすごい話です。でも女たちもまけずに、というかむしろ男たちに輪をかけて女たちが力強いのが、ルビッチワールド。ハリウッド時代のものは、背景も物語も一見きらびやかで上品ですが、その裏では花嫁人形がギクシャク踊り、白黒姉妹が雪の上をころがっている、というわけですね。
生演奏の音楽は映画を見ていて気にならず溶け込み、時にはいい感じに映画をもり立てて、好印象でした。
「花嫁人形」の字幕翻訳がうまかったです。「白黒姉妹」の終わりではクレジットでましたが、2本とも同じ人かな？
この上映会、女性客が目立ちました。天国のルビッチさんもお喜びのことでしょう。
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    <title>BBSより　　「パクリとリメイク」</title>
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    <published>2007-06-14T23:09:52Z</published>
    <updated>2007-06-14T23:13:32Z</updated>
    
    <summary>BBSにキマさんから長文の書き込みがありましたが、全文がうまく表示されなくなって...</summary>
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        BBSにキマさんから長文の書き込みがありましたが、全文がうまく表示されなくなってしまったので、
ここに転載させていただきます。
        キマ / パクリとリメイク
先日、なにげなく衛星劇場で録画した「お嬢さん先生」というまったく予備知識のない映画を観ました。1955年大映東京撮影所作品。南田洋子主演。監督はトーキー以降はほとんど忘れられた監督となったものの、サイレントでは「何が彼女をさうさせたか」で映画史に名が残る鈴木重吉。大映時代は和製「ターザン」の「ブルーバ」（55）みたいな変な映画ばかり監督しています。さてこの「お嬢さん先生」を観始めて、まずクレジットに「原作・獅子文六」とあるのに驚き（「大番」や渋谷実作品の原作者で有名ですが）、はじまってすぐにこれが清水宏の「信子」（40）のリメイクであることに気がつきました。女性版「坊ちゃん」です。ただし、清水版では地方から東京に来た女教師（高峰三枝子）は、東北訛りであるのに、鈴木版では田舎から上京した女教師（南田洋子）は標準語でした。そのことの意味を考えるのは別の機会にします。 
このようなリメイクではなく、日本映画にはパクリの映画史ともいうべきものがあります。「踏襲」「焼き直し」「オマージュ」「イタダキ」・・・言葉はなんでもいいんですが、まんまリメイクなのに正式にクレジットされていないもの。プログラム・ピクチュアにこの手のものは多く、日活作品はその宝庫です。ただ日活アクションは個々の作品をそうした指摘をする人が多いようですが（「赤い波止場」「夜霧よ今夜も有難う」「紅の流れ星」などなど）、日活ロマン・ポルノではそうした指摘をした人や批評は寡聞にしてほとんど知りません。 
「日本映画の玉」の第１回でも指摘したように、「鶴八鶴次郎」の原作である川口松太郎の小説がアメリカ映画「ボレロ」の翻案である指摘はたくさんありますが、小沼勝の「縄と乳房」がその「イタダキ」であるという指摘は読んだことがありません。先日、シネマヴェーラで上映された澤田幸弘の「暴行！」も当時の批評をいろいろ読んでみましたが、これが「キーラーゴ」の「イタダキ」であることには触れてありませんでした。まだまだたくさんあるはずです。意外なところで、70年代で東宝で活躍した浅野正雄は、「恋にめざめる頃」が成瀬の「妻よ薔薇のやうに」のリメイクであることが指摘されますが、金子正且プロデューサーによると、浅野正雄はその前作「街に泉があった」もヴィスコンティの「若者のすべて」の「イタダキ」であったそうです（こじつけくさいですが）。 
こんなことを思ったのも、独創的な個性においては抜きん出ている清水宏の、それもさらに独創的脱力系の傑作「按摩と女」をスマップでリメイクしようとする暴挙を耳にしたからです。黒澤明を次々とリメイクしたり、どうもおかしい。リメイクでもパクリでもいいけれど、着想をいかして料理するのではなく、安易さばかり目だってがっかりです。 
ただし「ディパーデット」に対して、脚本家がオリジナルである「インファナル・アフェア」を観ていないと公言していることをあげつらって、「オリジナルに敬意を払っていない」と批判するのは少々間違いであるような気がします。ジョン・フォードが「荒野の決闘」を作るとき、アラン・ドワンの「フロンティア・マーシャル」を観ていないであろうとも関係ないからです。先行するオリジナルを観ていよういまいと、敬意を払っていようといまいと、映画的記憶とやらがあろうがなかろうが、もうそういうオタクなだけの小僧がベタベタこれ見よがしにセンスもない引用だけでパッチワークした、学生映画モドキの映画など観たくはなく、どうであろうとちゃんとゼニの取れる、成熟した大人の映画が観たいだけです。 
松本人志の映画をけなし、北野武の新作を《擁護する》のがトレンドの戦略らしいのですが、「監督・ばんざい！」より愚作であっても「ピンク・レディーの大活動写真」のほうがいくぶんマシであった気がするし、その前の「パリで一緒に」もかなりつまらなかったけど、ゲストが豪華でそれなりに楽しかったし、そもそものオリジナルである「アンリエットの巴里祭」は無視するのがシネフィルとかという人種の正しい姿勢であるジュヴィヴィエであっても、100倍もおもしろい映画でした。 
まあ、そうした中、もうすぐ封切られる井土紀州監督の「ラザロ」はいろいろと難癖もつけたいところがあるののですが、第２部「複製の廃墟」がラングの「ドクトル・マブゼ」の「イタダキ」であったことはほほえましさを感じました。 
ところで、イーストウッドの「父親たちの星条旗」をプレストン・スタージェスの「英雄の凱旋万歳」のオマージュだかリメイクだかだと指摘しているコメントを観ましたが、私見ではそれは穿ちすぎでぜんぜん別物だと思います。

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    <title>DVD鑑賞メモ　「栄光の都」</title>
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    <published>2007-06-11T00:20:17Z</published>
    <updated>2007-06-14T22:35:30Z</updated>
    
    <summary>またまた米ワーナーの「タフガイBOX」からジェームズ・キャグニー、アン・シェリダ...</summary>
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        またまた米ワーナーの「タフガイBOX」からジェームズ・キャグニー、アン・シェリダンの「栄光の都」（39）を。監督は「うたかたの戀」のアナトール・リトヴァク。
        冒頭、下町の自由人風のおっさんがわが町ニューヨークを讃える語りに斜め構図の街の風景がモンタージュがあって、なにやら文学調の予感。子供たちで溢れかえる下町のセットがなんとも豪華で見とれていると、ボクサー姿のキャグニー登場。キャグニーのボクシング映画かと思いきや、ファイトシーンはやけにあっさり。幼なじみ？のアン・シェリダンはダンス会場で知り合った男（これが若きアンソニー・クイン！味ある、あやしいいい顔してます）とパートナーになって、彼から離れてしまう。彼女には野望があるのでした。
「この街に生まれたら、みんな成功する夢をみるものでしょ！」と言われたキャグニーは「俺は君と一緒に暮らせるならなんにもいらないんだけどな」と純情一筋。（台詞はあくまで印象のテキトーな再現です）
ギャング役ばっかりじゃ嫌だとスタジオにだだをこねて、こんな男の純愛ものをやったのかキャグニー。
このあとで、ウォルシュの「いちごブロンド」（41）をやってるんですね。あれもいわば男心もの。いいんだな、これが。ビフ・ブライムス、なんて役名まで覚えています。
この映画では日活アクションの元ネタに出会えました。キャグニーの弟が音楽家志望で家でピアノを弾き、いわば大都会交響曲みなものをつくっていて、最後見事にカーネギーホールで演奏会をひらくというサイドストーリーがあるのですが、まさに裕次郎「嵐を呼ぶ男」そのもの。「夜霧も今夜を有り難う」が「カサブランカ」で「紅の流れ星」が「望郷」、というのは知ってたんですが、「嵐を呼ぶ男」がこれ、というのはまたしても恥ずかしながら知りませんでした。この映画の日本公開47年のようですから、日活アクションって、いかにそのころの洋画映画ファンによってつくられていたか、つうことでしょうか。何かひさびさに見たくなってきちゃったな。「勝利者」とか「鷲と鷹」とか。井上梅次や中平康が香港でつくった「嵐を呼ぶ男」や「狂った果実」もDVDになってるようなので、これらも見たいなあとおもってるんですが。
「栄光の都」は中盤キャグニーのちゃんとしたボクシングシーンも見られるし、ラストはちょっといい感じですから、見てよかった、とおもわせてくれます。日活ファンはぜひ。
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    <title>DVD鑑賞メモ　「泥酔夢」「フットライト・パレード」</title>
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    <published>2007-06-10T00:20:17Z</published>
    <updated>2007-06-11T00:07:46Z</updated>
    
    <summary>米ワーナーの「バズビー・バークレー」BOXからひとまず、この２本を。...</summary>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://eiganokuni.com/blog/editors/">
        米ワーナーの「バズビー・バークレー」BOXからひとまず、この２本を。
        今ネットで検索して知ったのですが、「泥酔夢」ってすごい邦題ですね。原題のDAMESにひっかけて、「でえむ」と読むのでしょうか、原題もずばり「女たち」っていうあからさまなタイトルですが、泥酔の夢とは。クライマックスのめくるめくミュージカルシーンを何とか売りにしたかったのでしょうが、こんな色気ない表現しかなかったのでしょうか。でもこのちょっと麻薬でもやってるんじゃないかと感じざるをえないチョー現実的な画面の連続に圧倒され、なかばあきれているような配給会社の担当者の印象が伝わってきます。
そのクライマックスにいたるまでは、ちょっといいかげんなシチュエーションコメディーですが、二人のたぶん有名なおじさん俳優、おばさん（「グリード」のこわい女優）とディツク・パウエルとルビー・キイラーのほほえましいコンビの魅力で何とか持ちます。ホットパンツルックでタップするルビー嬢のシーンもあってうれしい（これってちょっと“萌え？”）です。
さて舞台という設定で幕があくと、そこからはバズビー・バークレー演出の異次元世界。洗濯物がまるで、生きもののように動き出すナンバーに続いて、女、女、女の大クライマックスです。ルビー嬢ってもう大スターだったんですね。なにしろ「君しか見えない」って歌で、彼女の顔顔顔です。シーンラストのディック・パウエルがでてくるところは、何度見てもウワっと驚きます。
続いて「フットライト・パレード」、こっちは何しろキャグニーが主演です。
制作は「泥酔夢」よりも１本前です。「プロローグ」っていうのはダンスだけの舞台？浅草国際劇場でやっていたようなレビューのことでしょうか？その「プロローグ」のプロデューサーがキャグニーで、あいかわらずきびきびした芝居で映画を牽引してくれます。振り付けがなってないといって、自らさわりをやってみせる動作なんて、やはりすごいです。舞台裏で女、女、女たちが３日間スタジオでカンズメになって練習するなんてシーンもあります。「COME AND GET IT！」という合図でみんな食堂にかけつけます。この合図はホークスの「大自然の凱歌」で知りました。みんなハングリーで、嬉しそうでなんかいいです。
おまちかねバズビーシーンは何と無数の水着美女たちが滝を滑りおりてくる、というこれはもう気絶するほど悩ましいカットから、水中バレエや華麗な連続飛び込みをまじえたプールものです！水着美女噴水！もでてきます。つづいてキャグニーがようやく登場、「上海リル」っ曲で上海の酒場や阿片窟（といっても美女たちが優雅にパイプをくわえてます）軍人たちのパレードという、割と普通のシーンですが、キャグニーとルビイ嬢、夢の顔合わせのタップシーンは忘れられない感激をのこしてくれました。
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    <title>ロードショー鑑賞メモ　「眉山」　「監督・ばんざい」ほか</title>
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    <published>2007-06-04T23:17:45Z</published>
    <updated>2007-06-04T23:35:29Z</updated>
    
    <summary>現状、当たる邦画をほぼ独占していて、公共の電波を利用した独占禁止法違反ではないか...</summary>
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        現状、当たる邦画をほぼ独占していて、公共の電波を利用した独占禁止法違反ではないかという声すらあるフジテレビがらみ、配給・東宝の「眉山」から。

        予告編で、宮本信子がちょっと気になる表情をしていたのと、個人的に阿波踊りの時期に徳島へ３回ほど行っているのもあって、見てきました。期待していなかったのですが、その通りでいやになりました。２時間あるのですが、とても持ちません。すくなくとも20分はいらないことはもちろんのことですが、母娘の関係性の設定自体に矛盾があって納得できないので、まるで感情移入できません。主役がただ不機嫌そうな、表情のない表情で何だか居心地が悪いです。そういえばこのへん「フラガール」と似てます。不幸せな若い女の描きかたってもうちょっとどこか客観的でないと、だめなんじゃないでしょうか。それは、いいかえれば登場人物への共感、でしょうか。
阿波踊りのシーンはおそらく演舞場のひとつを本番さながら、再現したのでしょう、実に贅沢な撮影をしていますが、もっと踊りを魅力的に描くことはできたはずです。踊りの集団の先頭をきって、ぽつんとやってくる子供踊りもかわいいのですし、威勢のいいおやじや味のある老人たちの男踊りにも個性が輝くのです。女踊りの、若々しいかけ声とともに一糸乱れず、きりっとしたラインをつくる感じもちょっと映っていましたが、ものたりないです。太鼓や鐘それに三味線をひく演奏団のサウンドももっと響かせなければいけません。踊り手の金子賢と宮本信子が会話しますが、あんなことありえないんです。なんでもリアルにやればいいってもんじゃないでしょ、といわれますが、でもこの阿波踊りシーンには、作り手のまなざしが感じされないんです。オーソン・ウェルズのリオのカーニバルシーンのように、とまでいかなくても、もっと見せ方があったはずです。
曖昧な回想シーンやCGの蛍シーンなどいたずらに甘いシーンなんかいらないからもっと徳島に、阿波踊りに、そのリアルに触れる努力を積み重ねるべきだったのではないでしょうか。人形浄瑠璃もおざなりに使うなら、いらないじゃないの。お隣、淡路島出自のあれは谷崎も「蓼食う虫」でたっぷり描写している、味わいあるものなのだ。
と、映画はだめですが、宮本信子はちょっとやりすぎなんですが、主役と対照的に映画への情熱を感じさせていいです。あと一番いいのは、山田辰夫です。「狂い咲きサンダーロード」からもう20年以上でしょうが、こんなに優しく、どこかきりっとしたところのあるいい中年男になるとはおもいませんでした。徳島出身かどうか知りませんが、阿波弁は完璧のようです。この男の存在感だけが映画らしかったです。

さて北野武作品「監督・ばんざい」です。前作はレンタルDVDで見て、しんどかったのですが今回は面白いところもありました。腹をひくひくさせてから笑ったのは「蝶天ラーメン」のくだりや、江守徹の怪演説のくだりでした。「コールタールの力道山」のくだりも味わい深かった。ということはつまり、ご本人が画面に出てこないシーンなのです。異様に青い（たけしブルー？）の学ランをきて茫洋とした表情をした本人が画面にいると、虚無感を感じざるをえないのです。突如人形になってしまうあたり、笑えるとこもあるのですが、そこに「意味」を見てしまいます。
お笑いなんて、映画なんて、人間なんて、なにこだわってんだよ、という厭世観が嫌みすれすれなのは、ドンパチに終始した前作よりもよかったです。映画にエネルギーがあります。でも、どこかですごく醒めているから、そんな無理してつくんなくてもいいじゃない、と思ってしまいます。映画をつくることが、好きなんでしょうね。
でも映画を見ることは好きじゃないでしょう。この本編直前にカンヌの特別短編がかかったのですが、裏読みをすれば、映画なんて見に行ったって何もいいことないじゃん、ていう映画人／映画ファンへの当てつけとも見られます。

それと最後に、タイトルを書くのも嫌なものをNHKの「ハイビジョン特集」の録画で見てしまいました。いつまでたっても意味ありげな映像がだらだら続くばかり、なので早送りの抵抗をしました。これが入選して、審査員グランプリまでとってしまうカンヌ映画祭って、何だかおかしいです。映画祭事務局の身内びいきのようなものがあるのか。いいかげんな記憶ですが、この作品についている向こうのプロデューサー（セルロイドドリームの社長じゃなくて）って元？事務局の人では？？？。今実は、映画なんてどうでもよくて、押し出しが強くルックスも悪くはない日本女子が監督してるってことが、ヨーロッパの勘違いおやじたちを喜ばせてる、というか利用しやすい、ということか。だけど、これで勘違いして監督が、私が、私が、とメディアに露出してくるのはたまらないです。これを見た若者が妙に映画をなめて、私も映画つくって有名になりたい、なんてことないように、徹底的に否定する必要があるのではないでしょうか。それに監督を援助してるとかいう、主演のあのおやじはなんだ！　そんな演技でも存在感でもなくただ意味ありげに画面に出るとは、本当のぼけ老人や家族に失礼だろ！このひどさは監督だけじゃなく、共犯者たちにも責任があるじゃないですか！…とここまで言ったのですが、よってたかってみんなでつるし上げるというのも、嫌なので、あくまで個人的に不愉快なものを見てしまったという感想として、やめておきます。
こんなんで終わるのもなんですので一言。「監督・ばんざい」の内田有紀、きれいですね。
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    <title>DVD鑑賞メモ14「ヒズ・ガール・フライデー」「クレオパトラ」</title>
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    <published>2007-05-27T03:00:27Z</published>
    <updated>2007-05-28T00:35:29Z</updated>
    
    <summary>ますは「ヒズ・ガール・フライデー」、ソニーピクチャーズの日本版にて。...</summary>
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        ますは「ヒズ・ガール・フライデー」、ソニーピクチャーズの日本版にて。
        もう20年以上前、三軒茶屋のスタジオアムスという50席ほどの多目的スペースで16mmn版で確か一週間ぐらい上映されたのを懐かしくおもいだします。あの16mmも状態のいいプリントだったはずですが、このDVDの鮮明感には驚きます。こうした異様にキレイなDVDのいいところは、カメラや美術のいいところがわかるということです。ほとんどセット撮影ですが、ライティングのなんとゴージャスなことか。スターは彼ら自身の魅力や演出はもちろんですが、まさに照明によって輝きを増すということが、たとえば前半のランチを食べる地下？のレストランのシーンだけでも実感できます。ケイリー・グラントもロザリンド・ラッセルも実にチャーミングに生き生きと、ピカピカに輝いています。
それで内容なのですが、実は前からこの映画のすごい面白さというのが今ひとつのみこめないのです。死刑囚ねたをあつかって、ちょっと間違えれば嫌みこの上ないものになりそうな物語の比重が、この異様に速いマシンガントークの言葉づかいにあるのでしょう。おそらく細部が可笑しいのでしょう。字幕だけでは、全くわかりません。こんな映画こそ、吹替版が欲しいところですが残念ながらそんな予算はないようです。
セシル・B・デミル1934年の「クレオパトラ」を500円DVDで。近所のゲーム＆DVDショップの閉店セールでチャップリンの「伯爵夫人」の正規版500円、フォードの「モガンボ」正規版1000円、などなど驚きの中、これは380円で購入。
冒頭レターボックスのような上下黒味が入って画をつぶしているのですが、クレジットあけからスタンダードになるので安心。あの黒みは何だろう、パラマウントのロゴでも入っているのでしょうか。いくらパブリックドメインでも商標を使うのは警戒しているということなのでしょうか、この手のDVDはメジャーの会社ロゴを外していますね。
画は16mmからおこしたアナログマスターで遠景の表情はわからず、アカデミー撮影賞ということですが、それも実感できません。
しかし、映画は楽しめます。まずはクローデット・コルベールがものすごく露出度＆ぴたぴた度のたかい衣装で、スタイルのよさをアピールして堪能させてくれます。こういう小づくりだけど大胆で挑発的な女性像って惹かれます。こわおもての男たちがめろめろになる過程も微笑ましい。単純なストーリーをパレードや宴会！や戦闘などスペクタクル満載の大サービス精神で描いていていますが、どこか下品ではないところを感じてなかなかいいです。それは西洋人の女性崇拝の精神ってものでしょうか？ラストなんか女優なら一度こんなシーンを演じてみたいと憧れるのではないでしょうか。
この作品も収録されたセシル・B・デミルコレクションBOXっていうのがアメリカででてますね。買ってみます。同じ34年のコルベール主演「恐怖の四人」というのに期待です。なんと「或る夜の出来事」も34年なんですね。
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    <title>放映録画鑑賞メモ　「彼奴を逃すな」</title>
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    <published>2007-05-22T23:21:14Z</published>
    <updated>2007-05-24T01:02:09Z</updated>
    
    <summary>日本映画の玉でおなじみ、鈴木英夫監督の１作をチャンネルNECOの画期的な３ヵ月連...</summary>
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        日本映画の玉でおなじみ、鈴木英夫監督の１作をチャンネルNECOの画期的な３ヵ月連続企画「鈴木英夫の世界」から。
冒頭のキャストクレジットで、木村功と津島恵子、志村喬に宮口精二って、おや「七人の侍」（54）のカップルと侍たちじゃないですか。

        56年の同じ東宝制作だからこんな単なる偶然はたびたびあったのでしょうが、妙にはしゃいだ気分になってきます。（といっても「七人の侍」が好きなわけじゃないのです。ただフォード経由で黒澤を見直すという手もあるかな、と思っています。今まで何度も黒澤を好きになろうと努力してるのですが、いつも挫折しているのですが。）
お話は他にどうにかならないかなあ、とつっこみたくなる展開ですが、画面の面白さで見せてくれますね。鬱屈とした木村の顔と、さっぱりした清潔感の津島のコンビがまず、いいです。顔といえば、ひさびさに志村喬をしげしげ見てしまいましたが、やはり実に押し出しの強い強烈な個性ですね。某大プロデューサーに似てます。それからクライマックスに登場する宮口精二のもの言わぬ迫力。そういえば、こういう男たちの顔が黒澤映画の魅力、って友だちがいっていましたっけ。
あと鉄道の高架がバックにある商店街のロケーションとセットが印象的。
道路がむきだしの地面で、木製の建物や看板類が出っぱっているのが、まるで西部劇のよう、なんて言うとこの頃の映画を見ればいくらでもある光景だよ、とおこられそうですが、この映画のこの街角の感じってなかなか味がありますよね。ほとんどこの街角を舞台にくりひろげられる話なんですが、セットとロケーションの境目がわからないです。ひょっとしたら背景に汽車が走るカット以外は全てセットですかね。地ならしをするローラー車？がすすんでゆくカットや路地の遠景にいる男のシルエットなんかが印象的。移動をふくめたカメラアングルがサスペンスちっくでいいです。ちんどん屋ってクラリネットを吹いていたんだ、と気づいたのもこの街角での出来事。今気づいたのですが、あの白塗りのピエロ、宮口精二だったのですね。コワイ。そのピエロが妻を見ているのを見ている夫、という描写をきちんとカット割りしているので何度もでてくるピエロの顔がどんどんコワくなってきます。
とにかくその宮口が最後店にやってくるところから、目線と店外のカットバックでサスペンスがたかまるあたりは、なるほど、巧いです。この監督が評価されてきているのも、基本的にちゃんと見せてくれる、画で勝負してくれるから、ということでしょうか。殺人事件の目撃者になった男が犯人に脅迫されるというだけのこの映画のプロット、へたにつくれば、だらだらの退屈な映画になりかねないですもんね。どんな条件でも映画監督はあきらめてはいけないという好例かもすれません。でも役者もセットも今に比べれば断然豪華、というところがスタジオ時代のうらやましいとこですね。



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    <title>ロードショー鑑賞メモ　「パッチギ!　LOVE&amp;PEACE」</title>
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    <published>2007-05-22T01:29:56Z</published>
    <updated>2007-05-22T01:41:24Z</updated>
    
    <summary>いつものDVD＆放送録画鑑賞メモが、昔の映画のことばっかりだし、書いてることもマ...</summary>
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        いつものDVD＆放送録画鑑賞メモが、昔の映画のことばっかりだし、書いてることもマニアックすぎてとっつきにくいということもありそうなので、新作についてもふれてみようとおもいます。
        前の「パッチギ！」それに「フラガール」、同じプロデュース、脚本なので見ました。この２本の出来映えがすごく素晴らしいわけではないのですが、最近の日本映画にあってオリジナルの企画力を感じさせる内容になってはいるのです。
あくまでも映画用の内容をきちんと映画のかたちにしてゆくこと、これがこんなに本数のあふれている日本映画でなかなかなされていない、というのが現状ではないでしょうか。時間も手間もつまりお金もかかることですが、つまんない原作費やキャスト費をかけるなら脚本に金をかけてほしいのです。といっても、ある程度売れた原作と出演者が、企画の最重要点というのが映画に出資する企業の考えでしょう。そんななか、前作の「パッチギ！」というのは企画プロデユーサーのアイディアが光っていたのではないかと、見ていたのです。監督の趣味？のケンカシーンはもうやりすぎで、もういいよ、って感じでしたが。「フラガール」は悪くはないのですが、主役の嫌み度が役柄以上で見苦しく、泣かせシーンも何度もやられると、もういいよ、って感じで、蒼井優がいなかったらちょっとヤバかったんじゃないでしょうか。でも一般には評判よくてヒットもしているという実績ができたわけで、おめでたいことです。
そこで今回の新作ですが、ひととおり多彩な登場人物が紹介されきったぐらい（４０分くらい？）で、一気にこちらの見る気が薄らいできます。役者さんたちは、みんな力あっていい感じです。そのへんの感じ、小生の趣味では芸能プロのスカウトマン（「どんてん生活」「雪に願うこと」で面白い山本浩司）と社長（でんでん）が見れられてよかった。
それにしてもこのお話の構成もうすこし、どうにかできなかったのと、見た人誰もがおもうことでしょう。高校生たちのケンカ、孤児の日本人と在日の友情、芸能界入りする妹、難病の子供、戦中の出来事、戦後日本人批判といろんな話が盛りだくさんなのですが、どれも浅く類型的な描き方にとどまってしまっています。密猟で捕まった藤井隆が面会で、いきなり母と妹と対面するというシーンや、子供の難病で絶望した兄が泣きわめくところに同時に芸能界での苦悩を吐露しはじめる妹のシーンは、いくらなんでも唐突で乱暴で感情移入できません。74年ということで昭和ネタがが満載なんですが、そんなことはどうでもよろしいのではないのでしょうか。国鉄のホームと電車や芸能人水泳大会の描写に力入れるよりも、この大雑把な脚本をどうにかしてほしかったです。戦時中の話をインサート形式で紹介してゆく、というのはひょっとしたら「父親たちの星条旗」の影響でしょうか？登場人物たちの気持ちのながれがつながらないし、意味のつながりを考えずに直感的にこうしたのかもしれませんが、戦中のシーンがとってつけたようにも見えるので、あまり成功しているとは言いがたいです。描写はすごく力はいっていたので、もったいないです。物語はこの父と兄と妹の話一本で、がっちりまとめるべきだったのではないでしょうか。とにかく余計なことばっかり。また最後ケンカだもん、いいかげんにしてよ。演出については、お話は盛りだくさんだから描くこといっぱいあるのに、ヒロインにばっかりに演出は力がはいっているよう。しかも視線が下品な感じ。それにしても兄の井坂俊哉や藤井隆や父の役をやるなら、もっとどうにかしてくれなきゃ、かわいそうです。公式ホームページに小生の好きな山本浩司の紹介もクレジットもないけど、何かトラブルでもあったのでしょうか。彼の役がもっと膨らんでゆけば、よかったのに。って、さらに収拾つかないですね。

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    <title>DVD鑑賞メモ13　「我れ暁に死す」</title>
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    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://mermaidfilms.sakura.ne.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=7/entry_id=144" title="DVD鑑賞メモ13　「我れ暁に死す」" />
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    <published>2007-05-17T02:59:43Z</published>
    <updated>2007-05-27T22:19:37Z</updated>
    
    <summary>ひきつづき米ワーナーの「タフ・コレクション」からジェームス・キャグニー、ジョージ...</summary>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://eiganokuni.com/blog/editors/">
        ひきつづき米ワーナーの「タフ・コレクション」からジェームス・キャグニー、ジョージ・ラフト共演の「我れ暁に死す」を。
        <![CDATA[これまた刑務所ものです。ただ今回は刑務所内の描写にはちゃんと緊迫感があります。さらに所長役がなんとジョージ“暗黒街”バンクロフトで、貫禄たっぷり見せてくれます。囚人たちの顔つきが、十分それっぽく、くたびれかたや嫌な看守にいびられて怒りをこらえたりする鬱屈した表情もばっちりです。キャグニー＆ラフトはそこにいるだけで、画面にエネルギーが満ちあふれます。ラフトのちょっと甲高い話っぷり、超然とクールな面構え、実に素晴らしいです。キャグニーは看守に取り押さえながら感きわまって泣き声で無実をうったえる、というシーンが一見地味ですがやはり圧倒的にすごいです。
クライマックスで囚人たちが集団脱走するくだりで、軍隊が出動するのに驚きます。マシンガンの銃撃がどうみても一部本物のようで、その中での役者たちの怯えや伏せる演技もまさに迫真ものです。ラフトなんか、相手の顔をつるし上げながら、その目前でピストルを発射させます。真後ろの壁にリアルな穴があきます。さすがにこれは別の位置から撃ったものかもしれませんが、やられる役者さんにとってはとんでもないですな。音も本物の銃撃や手榴弾の爆発を同時録音したものでしょう。本物の音を目の前で聞いた体験などありませんが、生々しさ臨場感がすごいです。下の動画でさわりを紹介しちゃいます。（これがくせになるといけませんね）
残念ながら、小生の乏しい英語力では、会話はほとんど理解できませんでした。
結構早口で、言い回しも特殊なんでしょうか、とおもっていたら特典映像としてギャング映画の言語についての20分ほどのドキュメンタリーがついていました。みんなキャグニーやロビンソンに憧れて、映画をみてしゃべり方をまねしたもんだ、と言ってるのは我々が「仁義なき戦い」を見ると語尾に「じゃけん」とつけてみたくなるのと一緒ですなあ。この特典は後でちゃんと見てみます。
そういえば、流血の描写というのほぼはないですね。そもそも派手な弾着や流血描写がはやりだしたたのはいつごろからなんでしょう。東映やくざ映画とはそこが違いますね。
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<p id="fla">※動画をご覧になるには最新のMacromedia Flash Playerがインストールされている必要があります。再生されない方は<a href="http://www.macromedia.com/jp/software/flashplayer/">ダウンロードページ</a>より、お使いの環境に必要なものをインストールして下さい。</p>]]>
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    <title>DVD鑑賞メモ12　「San Quentin（サン・クエンティン刑務所）」日本未公開？</title>
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    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://mermaidfilms.sakura.ne.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=7/entry_id=143" title="DVD鑑賞メモ12　「San Quentin（サン・クエンティン刑務所）」日本未公開？" />
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    <published>2007-05-17T02:57:05Z</published>
    <updated>2007-05-24T07:58:00Z</updated>
    
    <summary>米ワーナーの「タフガイ・コレクション」からその名もずばり「サン・クエンティン」と...</summary>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://eiganokuni.com/blog/editors/">
        米ワーナーの「タフガイ・コレクション」からその名もずばり「サン・クエンティン」という37年の刑務所ものを。
        <![CDATA[サン・クエンティンとはどこかで聞いたことが、と思ったのですが、最近の映画「ウォーク・ザ・ライン」でジョニー・キャッシュが実況録音版をつくった場所でした。というか大傑作「トゥルー・クライム」でも登場した有名な刑務所ですね。
画質が素晴らしいです。ここ１〜２年の間にテレシネがまた一段進歩しているのですが、ここまでの鮮明感があるとテレビで見る限り、ハイビジョンまで必要ないかもしれません。こういう普通の映画でもこんな見事な画質でDVDをつくっているワーナー、さすがというべきか、アメリカではこの手のDVDでも万枚単位で売れるのでしょうか。
刑務所ものへの興味から見始めたのですが、その刑務所内描写がのんびりしていて、いくらなんでもここまでゆるい雰囲気はないだろう、とつっこみたくなる描写で、はじめ30分ぐらいで挫折しそうになりましたが、ラスト近く突如、大迫力シーンが展開するのですから、映画をなめてはいけません。このころのスタントは絶対、怪我をしたんじゃないかとおもわせるほど、激しいものが多いですね。それとも演技が派手なのでしょうか。地面や壁に、全身で激突している感じがしますね。「汚れた顔の天使」の牧師役パット・オブライエンとボギー、再びの顔あわせということでしょうが、痩せたボギーがいい味をだしていています。息たえだえで、ちょっとたまんないです。アン・シェリダンもキレイだし、尺が70分ですので、見てよかったという気分にさせてくれました。
特典でワーナーDVDお得意の短編が２本ついて当時の劇場上映を予告編／ニュースとともに再現しています。短編の１本「The Man Without Country」はブロードウェイねたのテクニカラー作品で、ちょっと得した気分です。もう一本の漫画映画はルーニートゥーンの脱走ものですから、気がきいてます。
下の動画ですが、今回ははじめて、クライマックスシーン抜粋をやってしまいます。
スラップスティックコメディー出身の監督ロイド・ベーコンの面目躍如の大迫力シーンです。
でも、ちょっとだけよ。
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<p id="fla">※動画をご覧になるには最新のMacromedia Flash Playerがインストールされている必要があります。再生されない方は<a href="http://www.macromedia.com/jp/software/flashplayer/">ダウンロードページ</a>より、お使いの環境に必要なものをインストールして下さい。</p>]]>
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    <title>DVD鑑賞メモ11　「西部戦線異状なし」「怒りの葡萄」「荒野の決闘」二枚組</title>
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    <published>2007-05-14T02:41:31Z</published>
    <updated>2007-05-20T22:11:46Z</updated>
    
    <summary>「３０年代ハリウッド」というこだわりに戻って、この有名作を日本のユニバーサル正規...</summary>
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        「３０年代ハリウッド」というこだわりに戻って、この有名作を日本のユニバーサル正規版にて。フィルム原版がよほどひどいのか、もしくは一世代前のビデオマスターをつかっているのか、傷パラが激しく、鮮明感にも乏しいです。
        冒頭イギリスの映倫？マークがでてくることから、アメリカ原版ではなくイギリス公開版の原版を使用しているようです。第３回アカデミー作品・監督賞受賞作ですが、オリジナルネガがない、ということもあるんでしょうか。
誠に恥ずかしながら、初めて見ました。見終わって、これを見ないで戦争映画うんぬんいって、とさらに恥ずかしくなりました。兵士になること、戦場へいくこと、そこで震えること、苦しむことが身にしみて、ほとんど皮膚感覚のレベルまで伝わってくるようです。ことに砲撃、爆発、銃撃の音が、断続的に低く響き、こちらの神経を苛立たせ、これが映画の展開と相まって、戦場の臨場感、登場人物たちの疲労感、をひきたたせます。モノラルのしかも録音状態の悪いトーキー初期にあって、この効果はすごいです。逆に最近の多チャンネルの効果音はクリアで鮮明ですが、妙にきれいなのかもしれません。というのも、これを見ながら「硫黄島からの手紙」のことを思いださずにはいられなかったらです。あの映画に期待していたものが、ここにはありました。つまり兵士たちがまず、食べられないで苦しみ震えぼろぼろに疲弊してゆくことをきっちり描いているのです。その描写に賭けたエネルギーが物量も含めで凄まじいのです。
これもアメリカにとって敵国のドイツ人側のお話、という共通点もあるのですが、こちらはあくまでも兵士の視点が貫かれていて、子供に手紙を書く余地のある司令室という安全地帯にいる司令官の話ではありません。「父親たちの星条旗」や「プライベート・ライアン」やその他の何とか作戦ものの戦争映画にしても、銃撃の嵐のなかを必死で進撃するという描写にはどこか幼稚なヒロイズムがあるのではないでしょうか。この作品のすごいことは、何一つ進まず、疲れるだけという停滞した戦場描写に徹していることです。だから爆撃して倒れる兵士の痛みすら、感じるのです。もちろん現実の西部戦線の状態がそうであったのでしょうが、硫黄島の洞穴にこもった日本軍兵士も同じ感情だったのでしょうし、イーストウッドにはその感情を描いてほしかったです。
飢えの感覚ということで、もうひとつ。
大恐慌で土地をおわれた農民たちがカリフォルニアに移住するも仕事はなく、
あっても食べられない賃金で酷使され、とにかくひどい目にあるという「怒りの葡萄」をフォックスの日本版で。これはだいぶ前に見ていたのですが、全く忘れているので、驚きです。それとも見た気になっていただけかもしれません。
いずれにしても恥ずかしい。
ヘンリー・フォンダがあまり好きではないのですが、これはいいですね。
もちろん彼の代表作のひとつでしょうが、母親のリンダ・ダーネルがいいからかもしれませんが、彼女との芝居でいい顔をしてます。ようやくたどり着いた国営キャンプのダンスパーティーで母と踊って歌を歌ったりするところやラスト前の目の輝きは否定できません。それしてもフォードはダンスや歌が好きですね。緊張した物語のなかのこうした間がいいですね。そういえば「荒野の決闘」２枚組についていた「未公開版」をチェックしてわかったのですが、製作者ザナックがカットを命じた部分というのは、こうした間の部分なんです。
駅馬車が到着する前、町のひとと語らいながら、テラス？に椅子を用意するワイアット・アープや、「オースザンナ」を歌いながら旅行く人々、のシーンをカットぜすにそのままいっていれば、緊迫感のなかのユーモアが生まれて、フォードらしさが出たでしょうし、ラスト、アープがクレメンタインの頬にキスするカットに意外な感じをもたなくてもよかったわけです。
映画ってちょっとしたことが、大きく印象を変えるんですね。
「怒りの葡萄」は、貧しいことの描写力が素晴らしいです。家族が移動する家財道具と人員オーバーでへこんで走るトラックもそうですが、避難所？キャンプ地にいったときのゆったりとした主観カメラで見せるキャンプの風景、人々の表情が、本物らしき臨場感です。登場人物も、ただでさえ細身のジョン・キャラダインがさらに痩せこけて、自信をなくした司祭を演じて、リアリティ抜群です。主人公のジュードが仮釈放で帰宅したときに、よくぞ脱獄してきた、とはしゃぐおじいさんのような破天荒キャラは、次の「タバコ・ロード」で開花するのですね。
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    <title>DVD鑑賞メモ 10　「駅馬車」２枚組</title>
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    <published>2007-05-10T01:48:27Z</published>
    <updated>2007-05-15T02:36:19Z</updated>
    
    <summary>ジョン・ウェイン＝フォードBOXから「駅馬車」２枚組スペシャルエディションを。本...</summary>
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        ジョン・ウェイン＝フォードBOXから「駅馬車」２枚組スペシャルエディションを。本編が期待していた画質ではないのは、現存するフィルム素材の問題だと思われます。
        <![CDATA[特典映像にもあるように、本作はフォードが主役に無名のジョン・ウェインをと主張し譲らなかったため、メジャー各社では断られ、独立プロでの製作を余儀なくされた、という事情がフィルム保存の点でも影響しているののでしょうか。あるいは本作の権利は現在「キャッスル・ヒル・プロダクション」なるところが管理している（パブリック・ドメインですが）ようですが、ここが本DVDマスターを手持ちの普通の素材で制作した、ということかもしれません。ひょっとして、UCLAや国会図書館ライブラリーやMOMAなんかにもっといい素材があるんではないでしょうか。
と、そんなことは初めのせいぜい５分くらい気になるだけで、のっけの「アパッチ！」から多彩な登場人物紹介でぐいぐい引きこまれます。話はそれますが、保安官役ジョージ・バンクロフトのスタンバーグ「暗黒街」は何故、正規のビデオDVDにならないのでしょうか。「紐育の波止場」はビデオになってますが、DVDは未だです。ディトリッヒ以前以後のスタンバーグを何とかしてほしいです。日本ではディトリッヒものですら、LDBOXはありましたが、DVDが未だというのは、どういうことでしょうか。
その他の名優たち、飲んだくれ医師トーマス・ミッチェルはこれと「果てしなき船路」だけ、ギャンブラー役ジョン・キャラダインもあと「怒りの葡萄」だけ、というフォードのキャスティング史もおもしろいです。これだけの味を出している役者たちですから、もっと長く参加してもよさそうなものですが、フォード組を生き残るのは大変なことだったのでしょうか。
特典ディスクにはウェイン＝フォードについてのドキュメンタリー（米PBS制作「アメリカン・マスターズ」の一編）、「駅馬車」についてのDVDオリジナルドキュメンタリーが収録されています。
ここにインサートされるフォードのプライベート16mmカラー映像はヨット上のウェインたちの生き生きとした表情を映しだして、当時のフォード組ここにありの王者の風格を感じさせてくれます。
第二次対戦中従軍カメラマンとしてフォード自ら撮影したミッドウェイ海戦の空母甲板上の映像にもおどろきました。というか、ハリウッドを離れづっと従軍していたというのは初めて知りました。一方ウェインは志願兵として戦争に行った俳優たちの穴うめで、多くのチャンスをものにしたんですね。そのことが戦後の二人の関係に微妙なものを生み出したようです。この戦争がフォードに与えた影響、というか、映画にあたえた影響というのは、たいへんなものがあったのでしょう。たとえば30年代の「男の敵」、「虎鮫島脱走」、「メアリー・オブ・スコットランド」、「モホークの太鼓」、「駅馬車」、「タバコ・ロード」、には人間性の全肯定というか、無垢な明るさとでもいうような、現代の映画ではもはや到達しえない、何か大きなおおらかさ、優しさがあるのではないでしょうか。
フォードのすごいところは1952年に「静かなる男」を見事に成立させてしまうところですが、これも企画／構想は30年代のものです。
戦前、30年代のハリウッド、ここに映画の全ての達成があるのでしょうか。
年に何度も「駅馬車」がかかっているような名画座が欲しいですね。ちなみに小生が初めて見たのは、今はなき八重洲スター座、「シェーン」と二本立てだったはずです。「俺たちに明日はない」「卒業」の二本立てなんかとともに、定番中の定番でしたね。
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