上映会鑑賞メモ 「花嫁人形」「白黒姉妹」
ドイツ映画祭2007、6月11日朝日ホールでピアノとヴァイオリンの生演奏付き上映会にいってきました。
どちらも1時間弱ぐらいの中編で仕事帰りのオヤジにとっては、ぎりぎりいいところ。2作ともに何といったらよろしいか、面白い、としか言いようがありません。
脇役もふくめすべて登場人物が生き生きと強い個性を発揮しているのは、後のハリウッド時代と全く同じですね。「花嫁人形」の子供というかガキのはちゃめちゃぶりときたら。なまぐさ牧師もすごい。それにおしよせる女たち!物語も背景もメルヘンちっくというのが、「ルビッチタッチ」の源泉でしょうか。人形芝居からはじまる「花嫁人形」。「白黒姉妹」は雪山ロケーションの魅力。ヘンデルとグレーテルをおもわせる姉妹の名前。エミール・ヤニングスの悪魔のようにすごい顔。(この人って普通どんな顔だったんでしょう)
結婚するのが嫌なら人形を嫁にすればいいとか、妹と結婚するためにまず姉と結婚すればいいとか、よく考えると、めちゃくちゃ乱暴なすごい話です。でも女たちもまけずに、というかむしろ男たちに輪をかけて女たちが力強いのが、ルビッチワールド。ハリウッド時代のものは、背景も物語も一見きらびやかで上品ですが、その裏では花嫁人形がギクシャク踊り、白黒姉妹が雪の上をころがっている、というわけですね。
生演奏の音楽は映画を見ていて気にならず溶け込み、時にはいい感じに映画をもり立てて、好印象でした。
「花嫁人形」の字幕翻訳がうまかったです。「白黒姉妹」の終わりではクレジットでましたが、2本とも同じ人かな?
この上映会、女性客が目立ちました。天国のルビッチさんもお喜びのことでしょう。

Anonymous
オッシ・オズヴァルダは、1899年生まれの女優で、ドイツのメアリ・ピックフォードと言われています。ルービッチュ監督の1916年から19年にかけての作品に出ています、1921年に自らの製作会社Ossi Oswalda-Filmを設立しますが、トーキーと共に没落、トーキーには2本出演しているだけです。1948年に亡くなりました。
日本公開作に、ルービッチュの監督・出演作『出世靴屋』(16)、『舞踊の花形』(18。ルービッチュ)、『輝きの前に』(18。ゲオルク・ヤコービ)、『男になったら』(18。ルービッチュ)、『花婿探し』(19。映画祭公開題『牡蠣の王女』。ルービッチュ)、『花嫁人形』(19。ルービッチュ)、『仮面の女』(22。ヴィクトル・ヤンソン。製作オズヴァルダ)、『コリブリ』(24。ヴィクトル・ヤンソン。製作オズヴァルダ)、『あこがれの処女』(25。ヴィクトル・ヤンソン)があります。映画祭公開作に『白黒姉妹』(19。ルービッチュ)があります。
『舞踊の花形』『男になったら』『花嫁人形』『牡蠣の王女』のヴィクトル・ヤンソン(1884-1960)はラトヴィアのリガ出身。『Der G.m.b.H.Tenor』(16。ルービッチュ)でルービッチュ、オズヴァルダと共演、『カルメン』(18。ルービッチュ)、『山猫リシュカ』(20。ルービッチュ)ではポーラ・ネグリと共演。監督作の『仮面の女』『コリブリ』『あこがれの処女』でもオズヴァルダと共演しています。
『舞踊の花形』『男になったら』『花嫁人形』『牡蠣の王女』『白黒姉妹』は、いずれもハンス・クレーリ(1884-1950)脚本、テオドール・シュパールクール(1891-1946)撮影です。
『牡蠣の王女/男になったら』のDVD情報は世界映画DVD発見「第22回」参照。
http://www.kino.com/video/item.php?film_id=833
2007年06月19日 06:41