ロードショー鑑賞メモ 「パッチギ! LOVE&PEACE」

いつものDVD&放送録画鑑賞メモが、昔の映画のことばっかりだし、書いてることもマニアックすぎてとっつきにくいということもありそうなので、新作についてもふれてみようとおもいます。

前の「パッチギ!」それに「フラガール」、同じプロデュース、脚本なので見ました。この2本の出来映えがすごく素晴らしいわけではないのですが、最近の日本映画にあってオリジナルの企画力を感じさせる内容になってはいるのです。
あくまでも映画用の内容をきちんと映画のかたちにしてゆくこと、これがこんなに本数のあふれている日本映画でなかなかなされていない、というのが現状ではないでしょうか。時間も手間もつまりお金もかかることですが、つまんない原作費やキャスト費をかけるなら脚本に金をかけてほしいのです。といっても、ある程度売れた原作と出演者が、企画の最重要点というのが映画に出資する企業の考えでしょう。そんななか、前作の「パッチギ!」というのは企画プロデユーサーのアイディアが光っていたのではないかと、見ていたのです。監督の趣味?のケンカシーンはもうやりすぎで、もういいよ、って感じでしたが。「フラガール」は悪くはないのですが、主役の嫌み度が役柄以上で見苦しく、泣かせシーンも何度もやられると、もういいよ、って感じで、蒼井優がいなかったらちょっとヤバかったんじゃないでしょうか。でも一般には評判よくてヒットもしているという実績ができたわけで、おめでたいことです。
そこで今回の新作ですが、ひととおり多彩な登場人物が紹介されきったぐらい(40分くらい?)で、一気にこちらの見る気が薄らいできます。役者さんたちは、みんな力あっていい感じです。そのへんの感じ、小生の趣味では芸能プロのスカウトマン(「どんてん生活」「雪に願うこと」で面白い山本浩司)と社長(でんでん)が見れられてよかった。
それにしてもこのお話の構成もうすこし、どうにかできなかったのと、見た人誰もがおもうことでしょう。高校生たちのケンカ、孤児の日本人と在日の友情、芸能界入りする妹、難病の子供、戦中の出来事、戦後日本人批判といろんな話が盛りだくさんなのですが、どれも浅く類型的な描き方にとどまってしまっています。密猟で捕まった藤井隆が面会で、いきなり母と妹と対面するというシーンや、子供の難病で絶望した兄が泣きわめくところに同時に芸能界での苦悩を吐露しはじめる妹のシーンは、いくらなんでも唐突で乱暴で感情移入できません。74年ということで昭和ネタがが満載なんですが、そんなことはどうでもよろしいのではないのでしょうか。国鉄のホームと電車や芸能人水泳大会の描写に力入れるよりも、この大雑把な脚本をどうにかしてほしかったです。戦時中の話をインサート形式で紹介してゆく、というのはひょっとしたら「父親たちの星条旗」の影響でしょうか?登場人物たちの気持ちのながれがつながらないし、意味のつながりを考えずに直感的にこうしたのかもしれませんが、戦中のシーンがとってつけたようにも見えるので、あまり成功しているとは言いがたいです。描写はすごく力はいっていたので、もったいないです。物語はこの父と兄と妹の話一本で、がっちりまとめるべきだったのではないでしょうか。とにかく余計なことばっかり。また最後ケンカだもん、いいかげんにしてよ。演出については、お話は盛りだくさんだから描くこといっぱいあるのに、ヒロインにばっかりに演出は力がはいっているよう。しかも視線が下品な感じ。それにしても兄の井坂俊哉や藤井隆や父の役をやるなら、もっとどうにかしてくれなきゃ、かわいそうです。公式ホームページに小生の好きな山本浩司の紹介もクレジットもないけど、何かトラブルでもあったのでしょうか。彼の役がもっと膨らんでゆけば、よかったのに。って、さらに収拾つかないですね。

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