DVD&放映録画 鑑賞メモ7 偉大なるマッギンティほか
プレストン・スタージェス脚本・監督、1940年の作品をアメリカ版
の7枚組「プレストン・スタージェス フィルムメイカーズ・コレクション」から。
この時代サイレント映画のなごりなのか、背景を解説したり、引用文を掲げたタイトルからはじまる映画が多いようですが、これもそう。ふたりの男の気違いじみたお話は「バナナ共和国」のとある酒場からはじまります。客にウケたくて、スカートのすそを持ち上げ脚をあらわにする踊り子のシーンからという、嬉しい滑り出し。(下の動画をご覧ください)例によってこまかい会話はわからないのですが、そこの酒場のマスターが自殺未遂の男に向かって昔「おれは知事だっだ」と回想しはじめる。失業中のこの男、日銭目当てにひとりで32回同じ候補に投票するという、選挙違反をやってのけ、違法選挙を牛耳っているボスに面通しされる。異様に押しだしの強い主人公に「我が身をみるよう」だ、と彼をすっかり気に入ったボスのもとで、活躍がはじまる。このボスが「ミスター・アカーディン」ほかウェルズ作品でおなじみのアキム・タミロフなのだが、はじめはよーく顔を分析するように見ないと同一人物だとはおもえないほどの、かっぷくのよさ。このボスと主人公ブライアン・ドンレヴィのエネルギッシュなかけあいがいいのか、その後のテンポも快調で一気に楽しませてくれます。このコンビ、お気に入りなのか、4年後の「モーガンズ・クリークの奇跡」に「ボス」と「知事マッキンディ」ということでゲスト出演しているのに日本版500円DVDで遭遇。ちなみにこの作品はなぜか7枚組には未収録。
全体の印象として、スタージェス作品の底流には暗いものがながれている感じがします。プロットの展開は視点をかえれば相当深刻です。主役はどこか社会にたいしてひねくれているか、後ろめたさをもっています。登場人物たちもヒステリック。自らの脚本ですから、これは作家性ということなのでしょうか。フランク・キャプラ作品をたとえば明るく楽天的とすれば、暗く悲観的とさえいえるかもしれません。時代の暗さを誠実に反映させようとした繊細な社会派、という面が「サリヴァンの旅」では見事に結実しています。いや、全然そんなことないぞ、という声も聴こえてきそうですが、4作品だけの感想ですので、おゆるしを。
こういうコメディ、現代でも誰かやってくれないですかね。
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Faux
ブライアン・ドンレヴィといえば、ジョージ・マーシャルの西部劇『砂塵』(39)を観たばかりです。ジェイムズ・スチュワートが「伝説の保安官デストリーの息子トム」に扮し、マルレーネ・ディートリヒが、鉄火肌の歌姫を演じています。ドンレヴィは極悪の酒場経営者の役ですが、今ひとつ精彩を欠く感じです。
トム・ミックス主演『ミックスの再起』(32。監督ベンジャミン・ストロフ)と同じマックス・ブランド(1892-1944)の小説『砂塵の町』(中公文庫)を原作としながら、ハナシはまったく別物。1954年に同じマーシャル監督、オーディ・マーフィ主演の『野郎!拳銃で来い』としてリメイク。
『偉大なるマッギンティ』を挟んで、ドンレヴィは同じくマーシャルの西部劇『殴り込み一家』(40)に出演。ドルトン(ダルトン)四兄弟の強盗団を扱ったこちらはランドルフ・スコット、ケイ・フランシス共演。ドンレヴィのほか、ジョージ・バンクロフト、ブロデリック・クロフォードも出演。
http://homevideo.universalstudios.com/title.php?titleId=2477
5月8日に米Universalから出た『Classic Western Round-Up Volume 1』(2枚組)DVD収録の『命知らずの男』(51。監督レイ・エンライト)ではオーディ・マーフィがジェシー・ジェイムズに扮し、ドンレヴィが南軍のクウォントリル(カントリル)・ゲリラを率いるクウォントリル(1837-65)に扮します。
他の収録作は『テキサス決死隊』(36。監督キング・ヴィドア)、『インディアン渓谷』(46。監督ジャック・ターナー)、『決斗!一対三』(52。監督ラウル・ウォルシュ)。
以下のレヴュー参照(英語)
http://www.dvdtalk.com/reviews/read.php?ID=27928
ドンレヴィは『私刑(リンチ)される女』(53。監督アラン・ドワン)でもクウォントリルを演じています。
2007年05月09日 02:05
Faux
ブライアン・ドンレヴィのフィルム・ノワールについては以下の英語ブログ記事参照。
http://noiroftheweek.blogspot.com/search/label/Brian%20Donlevy
2007年05月19日 07:26