DVD&放映録画 鑑賞メモ2 「大番」ほか
チャンネルNECO放映のシリーズ全4作品、「日本映画の玉」でおすすめという以外何も知らない作品なので最初2作品だけ録画しておいたのを見ましたが、見始めたらもう止まらず、あわてて後の2作品を録画しました。
こんなに日本映画をおもいっきり楽しめたのはひさしぶりのことです。加東大介という人は出てくるだけでうれしくなる、とにかく好きな俳優さんでしたが、ほぼ出ずっぱりの主役。ランニングシャツで東京駅に降り立つ10代後半の家出少年から兜町で伝説の相場師にのし上がる「ギューちゃん」の一代記を、ダレ場なく実にいいテンポで描いてます。「おまきさん」役の淡島千景とのやりとりが何といっても素晴らしい。淡島は「夫婦善哉」ほか森繁とのコンビが有名ですが、こっちのほうがだんぜん表情が生き生きしていて、小生のなかでは千景ベストとなりやんした。「おまきさん♡」といいながら彼女の肩口に背中から、しがみつくように甘えるギューちゃんの表情は忘れられません。仲代達也というひとは苦手なのですが、このギューちゃんの優しい相棒「新どん」役ではじめて好きになりました。ヒロイン「かなこさん」の原節子、東野栄治郎の「チャップリンさん」、河津清三郎の「木谷さん」など助演陣も充実していて、役名を思い返すだけで、うれしくなってきます。お話も面白いので獅子文六の原作、さらに加東大介氏の「南の島に雪が降る」も買ってしまいました。加東氏の従軍体験をつづったこの作品、近年リメイクまでされていますが、出版当時久松静児監督、本人の主演で映画化されているんですね。見たいです!
「羽織の大将」
「大番」がよかったなら、これも見なくちゃと、フランキー堺が加東大介の師匠へ弟子入りするところからはじまるこの作品を見ました。フランキーがすごっくいいです。話は噺家がテレビタレントになって先輩からバッシングされ、師匠には破門されたり、暗い展開ですが、フランキーの陽性に救われてます。でも前半の調子にのっている頃のフランキーが断然いいです。桂小金治もめずらしく嫌みがなくてグッド。「大番」の4作目にもでていた団令子がいい表情するときがあって、なかなか悪くないというのを知ったのも収穫。千葉演出は脇役をきっちり造形しているんですね。しかも押し付けがましくなく。これは最近の日本映画にもぜひ勉強してほしい点です。
日本映画専門チャンネル「噺家のはなし」特集からはあと、渥美清の「おかしな奴」を見たけれど、全編おかしさよりも、かなしさがやけににじみ出ているので、ちょっとつらかったです。でも若き三田佳子がきれいです。佐藤慶が先輩噺家役というのは、かなり意外なキャスティングですが、暗い結末で納得。木全さんも書いていますが、このモデルになった噺家の芸風の面白さ、ありがたさ、がわからなかったです。渥美清の台詞のすべてが、どこか哀しく響くのは、なぜでしょう。あっ、脚本が鈴木尚之ですね。
