「雪に願うこと」「青春の蹉跌」「その場所に女ありて」
ひさしぶりに映画をはしごしました。しかも全て見応えがあって、うれしいので、ちょっと書いてみます。
新宿テアトルタイムズスクエアの「雪に願うこと」。初回で100人くらいの入り。中年(夫婦50割引きか)からシニア層が多い。それにしてもいつもながら予告15分以上は長過ぎる。とどめに本編との間にコマーシャルが流れる。映画がはじまっても、座席の中年夫婦が「これ誰?」「いぜやゆうすけ」などとお茶の間気分で話ているので落ちつかなかったが、佐藤浩市の「大将」が住み、働く 厩舎がでてきたあたりから映画に引き込まれる。主人公の家族と厩舎の男たちのドラマにしぼって、もうすこし短くてもよかった気もするが、新作の日本映画を見てひさしぶりに満ち足りた気持ちになった。佐藤浩市は絶好調だなあ。親父さんの代表作の1本「飢餓海峡」のリメイク、やったらどうかな。でも左幸子は・・・、キョンキョンでもいいか?
シネマアートン下北沢の「青春の蹉跌」。スクリーンでひさびさの再見。プリントがきれいなのでびっくり。
オンエア用にニュープリント焼いたのか?はたまた劇場の努力か?DVDは未発売だし、DVD用だとローコントラストポジというテレシネ(映画をビデオにする作業)作業用専門の普通に映写できないプリントを焼く場合が多いので。だけど最近のテレシネはきれいだから、名画座上映を考えて、普通のポジを焼きましょうよ。各社様。
そんなことはおいといて、この映画はやはり素晴らしい。かつて見たときは「青春の」やるせなさ、とおもったのだが、中年になってみても、ずしりと胸にこたえる。男という利己的な存在をあくまで動きで、声で、匂いで、描く。
やっぱ、映画は、これだ。
ラピュタ阿佐ヶ谷。木全さんの原稿に誘われて、未見だった「その場所に女ありて」が目当てだったけど、時間もあいたので、その前にやっている「たそがれの東京タワー」もついでに。これもきれいなニュープリント。ラピュタのシネスコはホールのサイズを考えれば、すごく大きくていい。座る場所や前の人の座席態度によってはひじょーに見にくいのだが、今日は前に座った小さいおばあさんが横の席に荷物を置いたので、私の視角は完璧。
フランク永井の主題歌に、でき上がったばかりという(チラシによる)東京タワーやタワーから見下ろした夜景の実景。東京は暗かったのか。(そういえば子供のころ、家の前のランプ式の小さな街灯にスイッチ入れる役だったな)
映画は孤児院で育った過去をタワーで知り合った青年にうちあけられず、幸せのなかで苦悩する二十歳の女の子の話。それで唐突なハッピーエンド。60分ぐらいだから、そんなに疲れませんでした。主演はこないだラピュタで見た清水宏のサーカスものでもかわいそうな役の仁木嬢。二作続いて、うつむいた表情が印象に残ってしまいました。三宅邦子がデザイナー役。敵役のお嬢さんがきれい。
「その場所に女ありて」のプリントは褪色、傷、飛び多し。聞きしに勝る映画だったので、こんどはぜひ、あざやかな色彩のニュープリで見たい。
司葉子!司葉子!!前から好きでしたが、この映画で惚れました(あたりまえですが女優として)。つまりは映画として彼女への意識の集中度が素晴らしい。はじめ線が細すぎるほどとんがった顔の線が、話とともにややふっくらしてくるあたりの感じは見事です。それにしても性愛に一線をおき、ある種孤独に生きる女を、これだけ魅力的に描いた映画というのもめずらしいのではないですか。禁欲の表情が生むエロティシズムというか、おとこおんなの魅惑というか。
これを現代版リメイクするってどおですか、木全さん。でも誰が演じる?長谷川京子?
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